毎月、最終日曜日は心に残る出会いです。
100名を超えました。
代表的なケースを選び、ワンポイントアドバイスのようなコラムを新たに付け加えることで
本になりませんかね?
出版社のかた、いかがでしょうか??
Mさんは88歳。
10年前に脳梗塞をおこし、発語はなく食事も摂れない状態で
胃瘻となっておりました。
今は脳血管疾患の方に胃瘻をするかどうか、
判断が分かれるところ(=個別に判断)ですが、
ちょっと前までは 脳血管疾患→気管切開管理、胃瘻管理というのが
通常の流れでした。
最初は胃瘻だったのですが胃内容逆流による誤嚥性肺炎を繰り返すため
腸瘻となっておりました(=ちょうろう。胃よりも奥の小腸に細いチューブを留置し栄養液を送り込みます。逆流を防ぐことが期待できます)。
しかし長年の使用で 腸液がチューブに沿って体外に漏れ出し、
皮膚がただれ、大きな孔があいてしまいました。
このため腸瘻からの栄養補給はあきらめ、
中心静脈栄養で生活をしておりました。
前の訪問診療担当医の都合で 当方に今後の管理の依頼がきて
御自宅にて私たちのはじめての出会いです。
発語はありませんが、表情の変化で 状態を読み取ることは出来ます。
身体症状の変化を早期に察知し、先回りして対応するという
在宅医の能力がフル回転する状況でした。
一番の問題は、腸瘻チューブの存在です。
栄養液の注入には使用していないのですが
チューブを抜くと 孔からの液の流出が増えて困ったことになる可能性がある。
このためチューブは抜かない方針で これまで対応されていました。
チューブを抜かないで置いておけば、細菌のたまり場になりますので
使用しないチューブであっても定期的に入れ替え交換をする必要があります。
寝たきり状態のMさんは チューブ交換のために病院に行くのが すごく負担になるのです。
通常は、身体の「穴」は、そのままにしておくと ひとりでに塞がることが多いです。
たとえば、胃瘻チューブは 抜去すれば1日もしたら穴はほぼ塞がってしまいます。
(ですから、抜けてしまった/抜いてしまった場合には すぐに対応しなければいけないわけです。)
病院の担当医と相談して、Mさんのチューブは、抜去して様子を見ることになりました。
腸瘻チューブを抜去する、というのは 病院の担当医にとっても、私たちにとっても
はじめての試みです。
うまく閉じないかもしれないけれど、やってみましょう、と。
しばらくの間は腸液が流出を続け、皮膚のただれが続きましたが
何ヶ月かたつうちに 穴はしだいに塞がって液も出なくなり、皮膚もきれいになりました。
腸瘻チューブの抜去から1年がすぎ、
ときどき発熱がみられるようになってきました。
その都度、注射で対応していきます。
御家族は めい の方がおられるだけです。
この次に悪くなったときには、どうしましょうか?
在宅チームと御家族で相談です。
Mさんは、表情を読み取ることが出来ます。
めい の方によると、病院は好きではないようだ。
デイサービス等、これまでどおり対応していただき、
ここで最期までお願いします、ということになりました。
ある日の朝、
いつもより呼吸が少し浅いです、という報告があり
その1時間後にMさんは自室で静かにお亡くなりになりました。
Mさん、腸瘻チューブの抜去が いい結果になってよかったですね。
皮膚のただれがどんどん悪化したらどうしよう、と心配だったんですけどね。
家の掃除・片づけをしていると出てきました。
青少年健全育成功労者表彰記念品
平成19年11月23日、広島市長から贈られたものです。
もう10年前になるんですねえ。
子どもたちをしっかり育てないと日本に未来はない、と思っております。
★インフルエンザ情報
全国でも、かなりの感染者が出ているようです。
A型・B型の同時流行のため、のようです。
手洗い咳エチケット、よろしくお願いいたします。