毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Iさんは83歳。
脳梗塞後の半身麻痺で、20年以上 奥さんと二人で在宅生活を続けていました。
自力では尿が出ず、導尿チューブをずっと入れている状態でした。
これまで往診専門のクリニックで在宅医療を受けていたのですが
医師と奥さんとの間がすこしぎくしゃくしてきておりました。
すべて医師のペースで運ばれ、
血圧の数値など 聞き取れずに聞き返したりすると とても怒られた、
というようなことが 積み重なってきていたそうです。
在宅医療では、医学総合管理料を算定している場合には
ガーゼや絆創膏類、アルコール綿など処置に必要な消耗品類は
必要量を無料で医療機関が提供しなければいけない規定になっています。
その物品の費用を患者さんから徴収してはいけない、とされているのです。
当院では ガーゼ類などを提供しても、もちろんその費用はいただいておりません。
ところが
どうやら前の担当医は、その物品の費用を徴収されていたようなのです。
消耗品類の費用がかさみ、何とかならないか。
とIさんの奥さんから相談された訪問看護ステーションから
当院のことを紹介されました。
訪問看護ステーションやケアマネージャの方々は
当院が(規定通り)消耗品類を無料で提供していることは御存知ですから。
住所も吉島エリアで近いですし、
もともと前の先生とはウマが合わないと感じておられた、ということもあって
その後の訪問診療は当院が担当することとなりました。
Iさんは難聴もすすんできており、
一度で話が通じるとは限らなくなってきていました。
聞き返すことが多くなっていたのです。
当院では、血圧などの測定値や、
診察した上での生活上の注意事項などを
毎回 紙に書いてお渡しするようにしています。
Iさんの奥さんは、
これまではIさんに何度も繰り返して説明をしていたのですが、
当院は診察の要点を紙に書いてもらえるので
本人に説明するときに助かります、と喜んでおられました。
Iさんは、自宅で毎日 リハビリを1時間おこなっておりました。
というよりも、奥さんにリハビリさせられておりました。
Iさん本人は、ベッドで横になっているほうが好きなんですけども。
立ち上がりの練習、つかまり歩行の練習。
本人が嫌がっても、奥さんがつきっきりで行います。
端からみたら鬼嫁に見えるかもしれませんが、
歩けなく、立てなくなったら困るのは自分たちなんですから。
ポータブルトイレに移動することが出来なくなれば排泄が大変だし、
腰を浮かせることが出来なくなれば 着替えだって難しくなる、
それはわかっていることなんですから。
奥さんはそう話しておられました。
しかし、徐々に体の動きは悪くなります。
要介護4になり、5になり。
肺炎をおこしての入院なども繰り返すようになってきました。
そしてあるとき、胸が痛い苦しい。
病院に入院しましたが、心筋梗塞でした。
心機能がかなり低下し、心不全の状態が続きます。
いつ急変があっても不思議ではない、という状況を御理解のうえ
退院し自宅に帰ることを選択されました。
それからおよそ3ヶ月。
Iさんは御自宅で亡くなられました。
Iさんも奥さんも、わからないこと・御心配なことなど
何でも相談いただきましたね。
最後は自宅を選択され、最期まで自宅で生活できてよかったですね。
宮島水族館前、お子様ランチの旗のある店です。
肉うどん御膳
ミニあなご丼もついてきます。
宮島といえばあなごですから、これを食べている人も多かったです。
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