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ケナコルト 自主回収

2009年03月7日 ,

皆さんは、花粉症や関節リウマチなどで
「一発筋肉注射をするだけで すっきりよくなる注射」
というウワサを聞いたことがありませんか?
その注射は、ケナコルト という筋肉注射です。

このたび そのケナコルトが自主回収になりました。
http://www.wic-net.com/search/search1011-4.html

ケナコルトは、ステロイド薬であり、
1:ステロイド量がものすごく多い
2:筋肉注射であり効果が長く続く
という特徴があり、いったん注射してしまうと取り消しができません。
つまり、ステロイドの副作用が非常に強く出る薬なのです。
たとえば、高血圧、胃潰瘍、心筋梗塞後、糖尿病、骨粗鬆症などの
人には使用を避けるべき薬なのです。

昔は、田舎の、あまり勉強熱心でない医師(高齢医師)のなかには
この注射を多用している人が各地にいたようです。
なにしろ すぐ効く、よく効く ということは間違いないのですから。
でもその結果、患者さんはステロイド漬け状態となり、いろいろな
副作用が生じ生涯苦しんだり、骨粗鬆症、骨折などでの寝たきりにもなり
大きな問題となりました。
こういった問題医師は、医師会が諭して現役を引退して
いただいたりしていた、という話はあちこちで耳にしました。

今では、いろいろな薬が進歩してきました。
アレルギー疾患でも、関節リウマチでも、良い治療法があります。
大量ステロイド筋肉注射という治療法は
現在では 通常「やってはいけない」治療 と考えられます。
このため、ステロイド治療に精通している我々専門医でも
ごく限られた特殊な条件の患者にしか使用しません。
専門医でない医師が安易に使用しては 問題が生じる危険があります。

患者さんの側でも
「よく効く注射を一発うって下さい」なんていうのは
非常に危険なのだ、ということを御理解ください。
ケナコルト自主回収を機会に、そうした「注射一発」という考えが
消えてゆくことを願っています。

レセプト(診療報酬)オンライン請求義務化で医療崩壊加速

2009年03月6日 ,

みなさんは診療所や病院を受診すれば、
支払いについては窓口で支払って終わりですね。
でも、各医療機関は、それでは終わりません。
みなさんが支払うのは、医療費の1~3割の自己負担分です。
医療機関は、残りの7~9割の費用について、
健康保険組合などへ、費用の請求をする必要があるのです。
これをレセプト請求と呼びます。
翌月の月初めに、1ヶ月分まとめて計算し請求しないといけません。
ですから以前は、月初めには医療事務のパートさんを何人も雇用し
徹夜状態で請求書を作成していたものでした。
レセプトコンピュータが導入されて徹夜状態からは解放されましたが、
それでも数日かかって処理し膨大な枚数の紙を打ち出す必要がありました。
もともとコンピュータで処理しているわけですから、
この機械をインターネットなどの回線に接続してオンライン請求にすれば
紙で打ち出すムダな手間暇はなくなる、というのは
自然な発想だと思います。
当院はオンライン請求そのものには賛成です。
昨日は研修会に出席しており時間がありませんでしたので
本日夜にオンライン請求おこなう予定です。(毎月5~10日が受け付け期間です)

しかし、「オンライン請求の義務化」 となると話は別。
国の方針で、診療所(レセプトコンピュータ有)では、
平成22年4月からオンライン請求への移行が義務づけられているのです。
現在、レセコン(レセプトコンピュータ)を導入していない
医療機関も、まだ1割程度ある、とされています。
オンライン請求をおこなうシステム構築については、
レセコン会社の言い値では100~200万円程度の費用が必要です。
(すでにレセコンがある場合の費用。無からの導入では300~500万円)
この費用は、国が負担してくれるわけではありません。
医療機関の自己負担です。

医師が皆パソコンを上手に使いこなせるわけではありません。
高齢者にとっては、困難なことだと思われます。
このため、過疎地で細々と地域を支えてきた高齢の開業医などは
オンライン請求義務化をきっかけに廃業する、とアンケートに答えています。
無理もありません。パソコンに、さわったこともないのですから。
およそ8%程度の開業医、とくに過疎地の開業医が廃業する意向のようです。
それでなくても過疎地の医療は崩壊寸前(場所によってはすでに崩壊)です。
ここで地域の医師が廃業すれば、あとに残されるのは荒涼とした医療砂漠。
負担を強いられるのは、住民なのです。

何もこの時期に「オンライン請求義務化」する必要はありません!!

緩和ケア医 本日のお勉強

2009年03月5日 ,

日本肺癌学会 「肺癌」2008年12月
大場岳彦先生(東京医科歯科大学)ほか の症例報告

肺小細胞癌は肝臓に転移することも多く、肝臓転移が命取りとなることは珍しくありません。この段階では、全身化学療法が無効となっていることが大半で、なすすべなく悪化していくこととなります。
多発肝臓転移に対し、肝動注化学療法が検討されることも少なく、じっさいに大場先生のケースでも最初に試みた肝動注療法は奏功しませんでしたが、あきらめず次の薬で試みたところPR(癌が縮小)が得られ、再発後生存期間は66週であった、というものです。
一般的な再発後生存期間は40週程度とされている、ということで、全身化学療法に抵抗性の場合には肝動注化学療法を治療選択肢として考慮してよいかもしれない、という提案ですね。

まだ若くて体力があるにもかかわらず全身化学療法が効かない、
肺機能や肝機能はまだ保たれている、
どうやら肝転移が命取りになりそうだ、
という場合に限られそうです。

実際に適用となるケースはほとんどない、と言えるかもしれません。
肝動注化学療法が適用できるケースそのものが少ないし、
最初の肝動注化学療法が効果ない場合には
全身状態がどんどん悪化していくため、
次の薬で肝動注化学療法をもう一度試みよう、
という状況になることは、ほぼないであろうと思われます。

肺癌、とくに小細胞癌の場合には、
最初の治療、それも一回目の治療が すべてを決していくのです。

今週の花

2009年03月4日

今週の花
カラー、コデマリ、オンシジウム

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うずら卵 スーパー店頭から撤去

2009年03月3日 ,
うずら卵 店頭から撤去 というニュース
正しく対応しているのは フジのみ。

中国新聞2月28日のニュース
「愛知県豊橋市のウズラ農場で
鳥インフルエンザウイルスが確認されたのを受け、
中国地方の各スーパーは27日、
ウズラの卵を店頭から撤去するなど対応に追われた。」
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902280021.html

トリインフルエンザはトリの病気です。
卵や肉を食べて 人間に感染する病気ではありません。
どうしても心配ならば、生で食べず加熱して食べれば安全です。
(トリ肉、卵の生食の問題点は また別にお話します。
インフルエンザと関係なく、生食は危険で おすすめしません。)

この報道での問題は、
「店頭から撤去するスーパー」がたくさんある、
ということなのです。これは誤った行動です。
そんなことをする必要性は全くありません。
「フジ(松山市)は「冷静に対応したい」と販売を続ける構え。」
と記事に紹介してありますね。
はい、フジ正解! 良くできました。他のスーパーは落第。

★2007年、東国原知事(そのまんま東さん)が誕生したばかりの
宮崎県でトリインフルエンザが発生しました。
卵や鶏肉を食べても安全なのに、宮崎産の卵や地鶏が売れなくなり、
知事が自ら先頭に立って 全国に安全PRをおこなって回り、
ようやく騒ぎが収まった、という事例がありました。
誤った情報・誤った行動により、大きな迷惑をこうむる人たちが
いるのです。 = 風評被害 と呼びます。死活問題です。
このときの教訓を生かしているのは フジだけ、のようです。
他のスーパーは、全く学習していない、ということになります。

新聞社にも注文があります。
この報道では、まちがった行動をしているスーパーがある、
消費者の不安をあおるスーパーがある、という内容だけであり、
「消費者に、正しい知識を知っていただく」、という役割を
果たしていませんね。
不安をあおるだけ、という報道は いかがなものでしょうか。

☆公民館等での「新型インフルエンザ」についての講師
お引き受けいたします。
知識のワクチン=正しい知識が自分たちの生活と社会を守ります。

緩和ケア医のひとりごと

2009年03月2日
緩和ケア医のひとりごと

終末期患者の延命医療中止

日本救急医学会の指針にもとづき、
終末期患者の延命治療を中止した経験のある医師が 68名いることが
2月27日報道されました。(日本救急医学会によるアンケート調査)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090227-00000664-yom-sciこれをどう考えますか?

人間に限らず、生き物は いつかは寿命がきます。
生まれてきたからには、死というのは避けて通れません。
生老病死 と言い表されてきたことです。
どんなにお金を積もうとも、どんなに最先端の医療を
おこなおうとも、不老不死というのは ありません。
人は死ぬ。それが自然の摂理です。
ならば、せめて最期は自然の流れにまかせませんか。

今回の報道は、「延命治療の中止」というものです。
でも、「延命治療の開始」については、触れられていません。
「開始」されていたから「中止」になるわけです。
(このあたり、あまり簡単にはいかない場合もありますが、
話を単純化するために 開始→中止 と考えて下さい。)

本人が常々「延命治療は受けたくない」という意思表示、
「最期は自然にまかせたい」、という意思表示をしておくことが
大事なのではないでしょうか。

かかりつけ医認知症対応力向上研修会

2009年03月1日

2月25日、広島市 市民交流プラザで開催された
かかりつけ医認知症対応力向上研修会
に参加しました。(広島市中区医師会主催)
講師は広島市民病院精神科部長 和田健先生でした。

この研修会は4つのパートに分かれています。
1:基礎知識編
2:診断編
3:治療とケア編
4:連携編
今回は、前半の2パートの研修でした。
良くできたテキストと、歯切れ良い解説のおかげで
ずいぶん理解しやすい研修でした。

高齢化社会となり、認知症となる人も年々増えています。
全員が病院や施設に入院するのでは、
国家財政的にも、物理的(施設・人員)にも無理ですし
そもそも「本人の幸福」とは ほど遠いものとなります。
本人にとっては、いつまでも住み慣れた自分の家で暮らすのが、しあわせですね。
認知症があっても安心して暮らしていける地域環境を
構築しなければなりません。
また、「人生の幕引き」の問題は、常に考えておかねばなりませんね。

折口内科医院は、
あなたが最期まで自分らしく生きること、を支援いたします。

今週の花

2009年02月26日

今週の花
ガーベラ、ヒペリカム、モンステラ

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サイエンスカフェにしく 放映中

サイエンスカフェにしく 放映中

2月14日のサイエンスカフェにしく の様子が
ふれあいチャンネル「地元ツウ」で放映されています。
院長が話題提供をおこなった
「あなたの家族が新型インフルエンザになったら どうしますか」
です。
放送は2月23日~3月1日
9時、14時、17時、21時、24時の
それぞれの最初の数分間です。
(27日は24時放映なし、
28日からは9時と21時だけの放映です)
院長のほかに当院薬剤師 高橋裕子も出ております。
リレンザ使用方法指導などもおこなっている
場面がうつっておりますね。
ぜひごらんください。

また、次回からのサイエンスカフェにしく にも
ぜひ御参加ください。
サイエンスカフェにしく のお問い合わせは
草津公民館までお願いします。

今週の花

2009年02月24日

キンギョソウ、バラ
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082-241-6836(代表)

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平日午後(診療時間内14:30~18:00)