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心に残る出会い46 緩和ケア病棟から2度退院したYさん

2013年06月30日  

毎月最終日曜日は心に残る出会いです。
カープの話は明日に。

Yさんは75歳
もう15年も前に前立腺癌と診断され
ホルモン療法などを受けてきたのですが
全身に骨転移が出現し治療は終了となっていました。
痛みで動きが思うようにならず
じょくそうが出来て緩和ケア病棟に入院です。
緩和ケア病棟というのは痛みの対応はお手のもの。
痛みのコントロールが出来るようになり
食事もとれるようになり、じょくそうも改善してきて
めでたく退院することが出来ました。
その時点で在宅緩和ケア医として当方に依頼があり、
私たちの初めての出会いです。

Yさんの妻は介護に自分なりの思い入れがありました。
できるだけ妻の思いを取り入れた形で
じょくそう予防も出来るように指導しての生活が続きます。
天気のよい日は車いすで町内を一周するのが日課でした。

ある日、緊急事態です。
車いす散歩の途中で片足が車いすの足台から落ちたのですが
妻は気づかずそのまま車いすを動かし続けたものですから
足先が道路とこすれ、肉がそがれ骨が見えるほど。
じわじわと出血もしています。
これは入院治療でないと難しい、と再度の入院です。
外科的処置をおこない、創傷処置が続けられました。
緩和ケア病棟であっても、必要があれば外科的処置なども
おこなわれるのです。
傷が落ち着いて、緩和ケア病棟から2度目の退院が出来ました。

その頃には、もう食事の飲み込みがうまくいかないほど
衰弱は進行してきていました。
食べられる物を食べられるだけ。
妻が食べられる物を工夫しての生活です。
サバが好物なので、サバ缶をいれたミキサー食などを用意します。

ついに ほとんど食べられなくなってきましたが、
苦痛はうまくコントロールされています。
3度目の緩和ケア病棟入院の希望はありませんでした。

2度目の退院から3ヶ月後、
Yさんは静かに自宅で亡くなられました。

Yさん、奥さん工夫の手料理を最後まで食べられて
よかったですね。
奥さんもよくがんばっちゃったですね。

全国うまいもの大会
551蓬莱の豚まん
毎回ではないですが、よく買っています。
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胃ろうは減ってきました

2013年06月29日  
カープ、8回に今井→河内→ミコライオで
打たれて逆転負け。
つい数日前の8回今村→河内→ミコライオで
逆転負けしたのと 全く同じパターンです。
ミコライオはモーションが大きく、
走者を背負っての登板は苦手。
ダブルスチールくらうほど。
9回のはじめからミコライオ、
でなければいけないのです。
回の途中からの登板では、ミコライオはうまくいきません。
先日の負けから、N村監督は何を学んだのでしょうか?
同じ負け方を繰り返す者に対して
私たちは「バカタレが!」という言葉を吐き出すしかありません。

さて、
胃ろうについての記事を2本お伝えしておきます。

胃ろうや人工呼吸器、7割が望まず…厚労省調査
読売新聞 6月28日(金)7時41分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130627-00001109-yom-sci
末期がんや認知症が進行して衰弱した場合、一般人の約7割が、おなかに穴を開けてチューブで栄養を送る「胃ろう」や人工呼吸器を希望しないことが、厚生労働省が27日発表した終末期医療についての意識調査でわかった。
***

最近になって、ようやくこのような情報がたくさん出てくるようになりました。
この内容のニュースは、もう珍しくありません。
石飛幸三先生による「平穏死のすすめ」が
時代の流れを変えてきましたね。

今回の記事で、
少し問題かな、と思う部分につき解説します。

***一部引用
末期がんの場合、水分補給の点滴は61%が「望む」だったが、胃ろうは「望まない」が72%、人工呼吸器も67%が「望まない」と回答。
***

末期がんの場合、
強制的栄養補給では寿命は延びないということは
いくつもの研究ですでに明らかにされています。
ですから
高カロリー輸液や、胃ろう、胃チューブ栄養が選択されることは
基本的にはありません。
緩和ケアの基本を学んだ医師が
末期がんの方にこうした栄養補給法を提案することは
基本的にはありません。
今回のニュースでは
胃ろうは望まないが72%とのことですが、
ここは100%であってもおかしくないのです。
28%の方は胃ろうに「何らかの過度の期待」を持っている可能性がありそうです。

末期がんの方への人工呼吸器ですが、
人工呼吸のため気管に管を入れるのは、非常に苦痛です。
管を入れたままにするのも、苦痛です。
ですから、
人工呼吸器をつけましょう、と言うことは
点滴で今後ずっと眠ったままにしましょう、
という文章が必ずもれなくついてきます。
もう意思表示も会話も出来なくなります。
とても人間的な最期とは言えなくなります。
人生の最後の最後に、そんなことをしなくてはいけないのか?

ですから
末期がんの方への人工呼吸器というのも基本的にはありません。
人工呼吸器も67%が望まないと回答、とのことですが
ここも100%であっておかしくないのです。
33%の方は、人工呼吸をする、ということがどういうことか
正しくイメージできてないと思われます。
(注:マスクによる人工呼吸という方法もあり、
心不全や肺気腫などでは導入されている方法なのですが、
これも末期がんに対応する人工呼吸方法ではないので
ここでは 気管内に管を入れる人工呼吸器として考察しています。)

中国新聞がナイスな取材をしています。
基幹病院に、胃ろう作成件数について調査をしています。
こういう「事実」をみんなで共有することが大事ですね。

「胃ろう」利用者が減少
中国新聞 2013年6月16日
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201306160016.html
病気などで食べられなくなったときに胃にチューブで栄養を送る「胃ろう」を、終末期に利用する患者が減っている。広島県内の基幹病院32病院では、2012年度の胃ろうの造設手術の件数は計1070件で、2年前より588件(35・5%)減少したことが15日、中国新聞社の調査で分かった。
***

自分は、どういう生き方をしたいのか、
どういう最期をむかえたいのか。
ふだんから家族で相談しておくこと、
自分の思いがあるなら家族に宣言し、
文書で書き、電話機の前に張り出しておくことをおすすめします。
尊厳死協会というのもありますよ。

全国うまいもの展
京都東山茶寮 宇治抹茶 水まんじゅう
最近のマイブームは和菓子です。
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いのちをみつめる研修会

2013年06月28日  

昨日は、本年度のビハーラ安芸の
第1回いのちをみつめる研修会
第一部のパネルディスカッションに登壇者として参加してきました。

第一部創作劇「看取りについて」
パネルディスカッション
第二部創作劇「葬儀について」
パネルディスカッション
第三部創作劇「グリーフケアについて」
パネルディスカッション

悲しい時には、思い切り泣きましょう。
泣くのをこらえてがまんしていると、どこかで無理が出てきます。
泣けるような環境を作る、用意してあげるということも大切なことです。

人間というのは、ひとりで生きているのではありません。
肉親・家族・親戚という関係のほかに
幼馴染や学校の同級生、会社の同僚/上司部下、趣味や遊びの仲間、
隣近所や地域の仲間。などなど。
生きているうちにもう一度会っておきたい、という場合もあるでしょうし、
葬儀があれば最後のお別れにぜひ参列したい、という場合もあるでしょう。

そういう観点から考えると、
家族葬や直葬(葬儀をせず直接火葬場に行く)というのは
残された人間、周囲の人間にとっては
最後のお別れの機会がなかった、ということになります。
心のけじめ が つかないことになるのですね。

葬式仏教 と言って 葬儀ほかを非難される方もありますが、
なにも華美にする必要はないのです。
死別の悲嘆を受け止める場、
グリーフケアの場として
再評価することも必要だと思います。
また
死んでからがお坊さんの出番、ではなく
生きているうちからかかわっていく、という方向に
取組が広がりつつあります。
時代は変わりつつありますよ。

次回の研修会は7月25日(木)13:30-15:30
「生きかた 死にかた」
龍谷大学教授・京大病院医師 友久 久雄 先生
場所は本願寺広島別院安芸門徒会館です。
ぜひご参加ください。

昨日は医院の夏レクでカープ観戦。
先週の週間予報では雨で心配していましたが、雨でなくて良かったです。
表向きは4番打者のホームランの打ち合い、
会沢の決勝ホームランで快勝! という試合ですが、
じつは堅い守備が勝利に貢献した試合でもありました。
会沢、守備も良かったですよ。
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デイサービスはピンキリ

2013年06月27日  

先日の夕方の事なんですが。
半年ぶりに、ある人が受診されました。
御家族に連れられて。
ろれつが回らない、右手が動かない、
ふらついてちゃんと歩けない、
というのですね。

脳梗塞です。

で、
いつから症状があるのですか、と聞くと
この方、いつもと同じようにデイサービスに行っており、
昼前からこういう症状が出ていた。
状態がおかしいので迎えに来てほしい、と
施設から連絡があった、
というのです。

家族、っていっても
同居しているわけではなく遠くに住んでいますし、
仕事をしているので すぐ駆けつけることも出来ません。
こうして
ろれつが回らないという異常が発生してから
医療機関を受診するまで
4時間が経過してしまった、という状況でした。

すぐに脳血管疾患専門の病院に救急車でお願いをしました。
で、
それがどうしました?
ということなんですけれども。
治療には「ゴールデンタイム」があるのです。
脳梗塞を発病して3時間以内なら使える治療があるのです。
血栓溶解療法、といいます。
http://www.fukuoka-stroke.net/webguide/article/detail/category_detail_id/133?k=t-PA

病院に着いて、検査をして、
それから治療開始となりますから
病院到着は発病から2時間以内であることが必要です。
脳血管疾患を疑わせる症状がみられたら
できるだけ早く専門病院を受診する、
これが大切なんです。
しばらく様子を見ましょう、なんていうのは よろしくありません。
家族に迎えに来させるというのも、よろしくありません。
ろれつが回らなければ、救急車で病院へ
というのが正解なのです。
一般常識だと思うんですけどね。

この方の場合には、デイサービスに行っていました。
つまり
介護職員のもとで こういう事態を招いています。
非常にレベルの低いデイサービス施設であると言うしかありません。
デイサービスによっては、看護師を配置している所もありますし、
何かあればすぐ電話で主治医に判断を求めてくる所もあります。
いや、
むしろそういうデイサービスが当たり前と思います。
デイサービスというのは高齢者が利用する施設ですから
心疾患や脳血管疾患をおこすことは十分に考えられ、
それに対応する手順を決めているのが普通なんです。
職員を対象に、病気についての研修をしていることが普通なんです。
ろれつが回らなくなった人を3時間4時間放置しておく、
なんて
信じられないことなんです。

デイサービスなどは、利用する時間により介護報酬が決まります。
早退し、利用時間が短ければ、報酬が少なくなるわけです。
体調が悪くなっても、病院に連れて行かない方が
デイサービス施設としては収入が稼げます。
病院には連れて行くな、家族に迎えにこさせろ、
(早退させず少しでも長くここに滞在させろ)、
というのでは、
金儲け第一主義の運営と批判されても仕方ないのです。
ふだんの施設長や理事長の朝礼や訓示が
金儲けに徹したものであるのかもしれません。

デイサービスは、レベルがピンからキリまであります。
評判のいい所もあり、評判の悪い所もあります。
大きな建物、新しい建物のところが内容がいい、とは限りません。
急変時、急病時の対応はどうなりますか?

利用開始前に確認されておくことをおすすめします。
家族に迎えに来てもらいます、
というところは、 やめておいたほうがいいですよ。

宇宙兄弟21限定版
今回はAPOのぬいぐるみです。
孫のものになっちゃいました。
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中国の漢方薬草から高濃度の残留農薬

2013年06月26日  

カープ、昨夜は4-2の時点で勝ったと思って聞いていたのですが
2度もダブルスチールされれば、そりゃ負けるでしょう。
守りの意識が弱まっているとすれば
カープの野球は出来ません。
8回今村、9回ミコライオというのが勝利の方程式。
昨夜は、方程式から大きくはずれた起用をしています。
勝利の方程式を壊し今村を下げる必要があったのか?
監督の談話、楽しみにしておきましょう。
(朝刊は夜読んでいますので)

さて、
緩和ケアの領域では、漢方薬はけっこう使用します。
食欲不振、しびれ、下痢/便秘、長引く咳、などなど。
ときどき、
東洋医学(漢方医学)さえあれば西洋医学はいらない、
という立場の医師。
漢方は全く使用しない、という立場の医師。
両極端の医師がいます。
が、いずれも間違っていると思います。
(あえて、間違っている、と言わせてもらいます)

患者のためになることなら、
漢方だろうと西洋薬だろうと、利用すればよいのです。
私は漢方薬をたくさん利用している医師の部類になると思います。

ただし根拠は必要です。
何の根拠もなく、漢方を利用することには反対です。
それは健康保険外で、自費でやってください。
健康保険のお金や税金を投入するからには
患者家族、国民に説明できるだけの根拠は必要なのです。

漢方薬に不都合な情報をお知らせしておきます。

中国の漢方薬草から高濃度の残留農薬、グリーンピース
AFP=時事 6月25日(火)16時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130625-00000040-jij_afp-int
中国で漢方用の薬草を調査した結果、高濃度の農薬が検出されたと発表した。
消費者の健康や環境への害が懸念される。
***

健康のために、と思って使用した薬が、
じつは健康を害するかもしれない、
という状況にあります。
中国産品は、食品も薬もどうにも信用できません。

漢方薬としては、中国の輸入物ではなく
日本の製薬会社のものをおすすめします。
製品の品質チェックは行き届いていますから。
残留農薬が基準を超える、なんていう事態にはなりません。
津村、クラシエ、コタローなど、
健康保険が適用される漢方薬はたくさんありますよ。

露庵 大手町店
食べログ
http://tabelog.com/hiroshima/A3401/A340101/34001334/
バイキングなのでデザートの写真のみ撮っています。
地場の野菜を使用しており、女性に人気のお店です。
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ビハーラ安芸 いのちをみつめる研修会

2013年06月25日  

マエケン、オールスター1位選出さすがですね。
活躍を期待しましょう。
広瀬は日本記録を出しましたので
選ばれるかな、と思っていましたが
丸は予想外。
オールスター出場で自信をつけて欲しいですね。

昨日のブログのコメント欄でも少し触れましたが、
ホスピス活動というのはキリスト教文化のもとで発展し
日本にも導入されてきました。
初期のすばらしい先達ももちろんキリスト教者です。
ですから
キリスト教者にとってはなじみやすいと思いますが、
多くの日本人は仏教徒ですので
あちこちに なじみにくい違和感が存在しています。
その違和感をいかにすべきか?
というのが現在の私どもの大きな課題の一つです。
その課題を浮き彫りにするための具体的試みの一つとして
私がJA広島総合病院の緩和ケアチームリーダーだった時に
宮島の大聖院の吉田座主をお招きして講演会を開催したりしています。
(JA広島総合病院と宮島は目と鼻の先ですので。)
昨年度の在宅・施設医療ネットワーク広島の活動では
藤井聡之住職の講演会を開催しています。
この問題については、
まだまだ私の中に確固とした答えがあるわけではありません。

キリスト教だけではなく、
浄土真宗のなかでも
エンドオブライフに関する活動がおこなわれています。
ビハーラ活動 と呼んでいます。
ビハーラと名前のついている病院やホスピスもあります。
(その内容の詳細や優劣まではここでは言及できません)

本願寺広島別院、安芸教区では
ビハーラ安芸 という活動をおこなっています。
これがもう20年を迎えています。

ビハーラ安芸 結成20周年記念大会のホームページから
一部引用いたしますと
***一部引用
医療・福祉関係者等と共に協力し、病床や高齢者施設におられる方々、その家族の精神的な不安や苦悩に寄り添い和らげ、安住を促し、生き抜こうとされる方の支えになろうとすることを主眼とする「ビハ-ラ活動」を提唱・・・
***引用終わり
http://www.aki.or.jp/topics/%E3%80%90%E9%96%8B%E5%82%AC%E8%A6%81%E9%A0%85%E3%80%91%E3%80%80%E3%83%93%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%A9%E5%AE%89%E8%8A%B8-%E7%B5%90%E6%88%9020%E5%91%A8%E5%B9%B4%E8%A8%98%E5%BF%B5%E5%A4%A7%E4%BC%9A/

さて、
本年度のビハーラ安芸の
第1回いのちをみつめる研修会 が開催されます。
平成25年6月27日(木)
会場:本願寺広島別院 安芸門徒会館
12:30受付
13:00開会式
13:20第一部創作劇「看取りについて」
13:40パネルディスカッション
14:00第二部創作劇「葬儀について」
14:20パネルディスカッション
14:40休憩
14:55第三部創作劇「グリーフケアについて」
15:15パネルディスカッション
15:40閉会式

このうち、
第一部のパネルディスカッションに
私が登壇することになっています。

どなたでも参加できます。
当日、会場にお越しください。
参加費は1000円です。

問い合わせ先はビハーラ安芸事務局
本願寺広島別院内 082-231-0302

今週の花
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映画いのちがいちばん輝く日

2013年06月24日  

横川シネマで映画
「いのちがいちばん輝く日」あるホスピス病棟の40日
滋賀県にある終末期を迎えた癌患者のための医療施設ホスピス「希望館」の日常を映した溝渕雅幸監督のドキュメンタリー映画。
を見てきました。

死をまじかに控えた人たちが入院してきます。
その心の変化などをていねいに追いかけて映像にしています。

6月22日に横川シネマと三篠公民館の共催イベントで
映画セミナーの講師を
緩和ケア薬剤師がおこなっていました。
でも
映画を見てからセミナー講師をしたわけではないのですね。
というわけで
緩和ケア医と薬剤師が二人で映画を見に行ったのでした。
セミナーに参加されていた方も 何人か映画に来られていました。
関心が非常に高いということなのでしょうね。

癌による痛み。
痛みが強いと、他には何も考えることが出来ません。
そこで緩和ケア病棟に入院して
専門的な緩和ケアを受ける。
そうして痛みが軽くなってくると、
ようやく人間的な思考、やりたいことの要求が出てくるようになります。
楽器を演奏したいと思えば出来ます。
家に帰りたい、と思えば帰れます。
外泊し東京に孫の顔を見に行きたい、と思えば出来ます。
痛みで苦しんでいる段階では
こうした人間らしい思いは出てきません。
そういう意味では
痛みをコントロールするための専門的施設として
ホスピスがしっかりしていることが地域にとって非常に大切なことです。

でも
この映画で言いたかったことは、それだけではありません。
ある一人の人間が死んでいくこと。
それは、その人間にとっては人生の物語の終わりかもしれません。
しかし、子どもや孫、友人・仲間にとっては
その人といた人生の物語は続いていくのです。
その人は、心の中に、いつでもいるのです。
物語に書き継がれ、引き継がれていくのです。
こうして
人生の物語を引き継ぐ、ということが繰り返されていきます。
死はけっして終わりではない、ということなんです。

この映画、ぜひ御覧になってください。
横川シネマで上映中です。

昨日は映画のあと、溝渕雅幸監督と、
映画に出てきたホスピスのホスピス医 細井順さんの
トークショーがありました。
質疑応答も含め、とても貴重な時間を共有できました。

緩和ケア医が、ホスピスもいいな、と思ったところ。
亡くなられた後、御自宅に帰られる前に
礼拝室に全員がそろい、
医師がその方の人生について総括されます。
引き続きチャプレンによるお祈りの言葉がとなえられます。
在宅では、
このように「あらたまった」人生総括の場はあまりないです。
全くない、というわけではないのですが、めったにないです。
こういう時間を持つことはいいなあ、と思いました。
在宅の場でもなんとか出来る範囲で取り組んでみたいと思います。

溝渕雅幸監督と、細井順ホスピス長と。
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音楽は平和を運ぶ

2013年06月23日  

昨日、緩和ケア医は広島呼吸ケア研究会で講演、
緩和ケア薬剤師は三篠公民館で講演でした。
お聴き下さったみなさん、ありがとうございました。

緩和ケア薬剤師の講演は
~映画を2倍楽しむ映画セミナー~
「最後まで自分らしく生きるために」
在宅ホスピスと緩和ケアの医療現場から

横川シネマでの映画
「いのちがいちばん輝く日」あるホスピス病棟の40日
滋賀県にある終末期を迎えた癌患者のための医療施設ホスピス「希望館」の日常を映した溝渕雅幸監督のドキュメンタリー映画。


ぜひ御鑑賞ください。
といっても
私たちもまだ見ていないんですけどね。

さて、
本日は大野和士オペラレクチャーコンサートのお知らせです。
指揮者 大野和士さんは、
音楽分野ではおそらく最年少50歳で文化功労者に選ばれています。
内戦中のクロアチア ザグレブ・フィルの常任指揮者を務めた経歴がありますが
その当時、ザグレブにいる日本人はたった2名だけ。
1名は商社マン、もう1名が大野和士さんだったそうです。
内戦で灯火管制の続くなか、人々は音楽を求め、
コンサートは開催されていたのです。
命がけの話ですね。

その大野和士さん、どうしても広島で
という強い思いがあるそうで、
数年前から広島でのコンサートが実現しています。
私たち夫婦は
その大野和士さんのコンサート実行委員会の
お手伝いをさせていただいています。
これだけで、もう十分幸せです。

音楽は平和を運ぶ

ぜひ会場でお聴きください。

RCCイベントガイド ホームページ
http://www.rcc.net/event/?id=52617&l=7
7/19(金) 大野和士 オペラレクチャーコンサートin広島
料金 A指定:3500円 B指定:2500円
会場:広島県民文化センター ホール
プレイガイド:県民文化センター、ヤマハ広島店、エディオン広島本店、中国新聞 ほか

チラシはこちら
http://www.peace-arch-hiroshima.net/pdf/opera20130531.pdf

グリーンカーテンを今年も設置しています。
ゴーヤがすくすく成長しています。
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映画を楽しむセミナーと広島呼吸ケア研究会

2013年06月22日  
雨はやみましたね。
これでおちついてくれるといいのですが。

昨日は、地域の民生委員・児童委員さんたちに
大きな2つの津波がくる、
準備が必要なんですよ、というお話をさせていただきました。
高齢化の津波に対応する将来設計を厚生労働省がおこなっており、
在宅療養支援診療所、とくに機能強化型在宅療養支援診療所の制度、
地域包括ケア支援センターと、協働する在宅医療連携拠点、
そいうった活動の理念と実際などのお話をさせていただき、
今後は地域の力が大切になる、という話をしました。
医療介護福祉という多職種の連携が必要であり、
顔の見える関係の構築をおこないましょう、
という方向で動きましょう。

本日は、
緩和ケア薬剤師は三篠公民館で映画を楽しむセミナー講演です。
その講演は緩和ケア医が講演すればよい内容じゃない?
と思われるかもしれませんが、
ほぼ同じ時刻、緩和ケア医は広島呼吸ケア研究会で
事例報告を発表です。
「ICTを用いた多職種情報共有が在宅医療に有用であった1例」
呼吸ケア研究会は、医師、看護師、呼吸理学療法士などに
限定した会合ですので
一般の方は参加できません。
ですので一般の方は三篠公民館の講座のほうにお越しくださいませ。

今週の花
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★新型インフルエンザ情報
台湾でH6N1の初感染が報告されたそうです。要注目。
H6N1型、初のヒト感染=鳥インフル―台湾
時事通信 6月21日(金)16時41分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130621-00000106-jij-cn

台風接近

2013年06月21日  

台風接近ですね。
風はそうでもないようですが
雨に御用心ください。
カープの試合はあるのかな?

当院のある広島市中区吉島地区は
台風19号のときに
30cm程度ですが、浸水した地域です。
朝おきてみたらクラゲと鯉の死骸が道路に落ちていた、
なんていう経験があります。

30cmですと
命にかかわる浸水ではないですが、
これが1メートルとなり、床上浸水になると
動けない人は溺死することになります。

また、浸水や台風は、停電がつきものです。
停電すると ただちに命に係わるという人たちがいます。
在宅酸素や在宅人工呼吸をおこなっている人たちです。

台風は、予測が出来ます。
大型台風ということであれば
事前に安全な病院に入院をお願いすることも出来るのです。
でも、地震災害は予測できない。
南海トラフ大地震では
当地区は2-3メートルの浸水が予想されています。
逃げられない人、動けない人をどうするのか。
地域で、声をかけあって助け合って避難するしか助かる方法はありません。

本日は、地域の民生委員さんたちに
当方の在宅医療連携拠点事業について
説明させていただくことになっています。
そのなかで
在宅酸素の方を災害時にどうするのか、
医療者は大規模災害時にどういう動きをするのか、
というお話も少しですがさせていただきます。

今週の花
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★インフルエンザ情報
神奈川県ではインフルエンザ学級閉鎖が出たようです。
市立天台小、インフルで学級閉鎖/綾瀬
カナロコ by 神奈川新聞 6月20日(木)22時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130620-00000027-kana-l14

082-241-6836(代表)

和平会・診療についてのお問い合わせはこちら
平日午後(診療時間内14:30~18:00)