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正月休みに読んだ本

2015年01月4日

今日から広島市の医療は年末年始体制ではなく
通常体制となっております。
急病の方は日曜当番医に受診をお願いします。
本日からは広島市医師会夜間急病センターも稼働します。

年末年始、子供たちが全員集合し、
もちろん孫も集合したわけで
とてもにぎやかでした。
昨日の新幹線は雪で遅れましたが、たいした遅れではなく
無事に帰ったようで安心しました。
孫は来てよし帰ってよし、という感じですね。

例年、大晦日からは 食って飲んで本読んで、
が数日繰り返されております。
そば→おでん→ビール→そば→おでん→日本酒・・・
これで体重が数kg増えてしまうのですね。
今年はそば→おでんは1回のみにしましたので
体重増加は2kgでおさまっています。
さあ、今日から2kgを元に戻す努力のはじまりですね。

年末年始に読んだ本の御紹介です。
マンガ MBAの超基本
著:かんべみのり
東洋経済新聞社

MBAというのは経営大学院のことです。

私どもは平成24年度 厚生労働省 在宅医療連携拠点事業の活動をおこない
それを通じて日本の将来、地域医療の将来などについて
厚生労働省が示している各種予測をいろいろ目にしてきました。
2025年問題がその代表です。
私どもは、それに対応できる体制を整えて準備をしておかねばなりません。

私は医師であると同時に
院長という「経営責任者」でもあります。
今後の日本経済の動向、とくに医療経済予測をしながら
自院の経営方針を決定していかねばなりません。
ところが
これまで経済・経営の勉強はしていません。
医学部の中では医療経済・経営の講義はありませんでした。
(今では大学によっては近い内容の講義がある医学部もあるようですが
将来医師になる人がその講義を受けているかどうか。)
勤務医時代には病院の部長級以上が集まる「月例経営会議」はありましたが
経営指標が細かく分析されるわけではなく
「みなさんもっとがんばりましょう」が結論というだけの会議でした。
これでは「経営能力」は身に着きませんね。

そこで
MBA(経営大学院)のエッセンスを理解できる本はないか、
ということでマンガ本を見つけたわけです。

帯には
今日から使えるフレームワークが1時間でわかる!
とあります。
確かにフレームワークに限れば1時間で概要は理解できますね。
もっとも
当方にそなわっている素養として
1:大学のコンピュータクラブにいてプログラムを自作していましたから
フローチャートを書いて全体像を理解してから
部分部分の作業をおこなう、
ということは身に着いている。
2:内科診療でプロブレム指向型診療記録(POMR,POS)が身に着いている。
(POMR: Problem Oriented Medical Recording又はPOS: Problem Oriented System)
問題点Problemをいったん全て列挙して
(状況に応じ問題点の追加や削除は適宜おこなう)、
関連する事項をまとめたりヒモつけをおこなう、
ということを行うわけです。
勤務医時代はすべてこの方式でカルテ記載もおこなってきました。
私のカルテが病院中で一番良いカルテとされており、
定期の病院監査のときに患者カルテの確認がなされますが
病院側はカルテとして私のものを開示したところ
私のカルテを見た監査官は非常にすばらしいと評価されたそうです。
それはそうですよ、私のいた大学はPOSを全国に広めたさきがけであり、
これが出来ないと内科臨床実習では家に帰らせてもらえなかったほど
学生時代から叩き込まれてきたのですから。
問題点の少ない患者ではこの方式は必要ありませんが
少し複雑な問題の患者では今でもおこなっています。
以上のような素養があったので
フレームワークの概念そのものはすんなり理解できたのではないかと思います。

「志」 についてのグループワークがある、
というのも興味深いと思いました。
自分は何のために学び、働くのか。
そこが明確になれば、そのあとの努力は自分で出来るわけです。
当方は開業にあたり ビジョン、ミッションを明確にしホームページで表明しています。

そういうわけで
当方がMBAに入る意義はほとんどない、
ということがわかりました。
手法としてグループワークが主になりますので
通信教育ではMBAの価値は半減するでしょう。
仲間・知人の輪を広げる、ということもMBAで得られる成果です。
20代後半から30代の方にはMBAのメリットは大きいかもしれません。

今、死に場所の8割は病院です。
本人が家で最期まで暮らしたい、と思っても
家族や親せきの意見(こんなんじゃ家では無理よ)、
医療や介護、福祉制度などの環境条件が整わないため
「仕方なく」病院を選択するしかない方も多いです。
人生の最期こそ本人の自由な選択が重要なはずなのですが。

「自由に生きる」ことが出来る社会の実現。
これが私たちの目指すものです。
これが私たちの「志」です。
私どものチームには
元銀行員、税理士、社会保険労務士などの方も加わっていただいています。
経営分析は彼らにまかせて
チームでの議論を積み重ねていこうと思いました。

私たちの「志」に賛同していただける方、
いっしょに働きませんか?

緩和ケア薬剤師の実家の雑煮
でびら を使用しています。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

人工光合成に期待

2015年01月3日
昨日は、午後から あるお宅に訪問診療で行きました。
遠方に住んでいる息子さんたちが帰省してくるので
相談しておかなければいけないことがあったのです。
御本人は 家がいい、最期も家で、という御希望がありますが、
妻は 状態が悪くなれば私が看病しきれない、最期は病院で、
と考えておられました。
こどもさんに病状・経過を説明し、
人生の最期をどこでどうやって生きていくのか、
どういう選択がいいのか、
本人と御家族で相談していただく必要があったのです。
さすがに元日に 医師が訪問するのはちょっとどうも。
というわけで1月2日に訪問となったのでした。

妻は、癌の最後は痛くて苦しいもの、と思っておられました。
でも、今では 多くの方の苦痛は軽減してあげることが出来ます。
痛みや苦しみがまったくゼロというわけには なかなかいきませんが、
「これなら入院しなくて大丈夫、家がいい」と言える程度の軽さに
ほとんどの場合 苦痛を軽減してあげることは可能なのです。

さて、
昨年私が最も注目したニュース。
今年どうなっていくのか、期待しておきたいと思います。
原発に大金をつぎ込むのではなく
太陽光発電と人工光合成が進歩すればいい。
あと50億年、地球では太陽光が使えます。
原発のようなアブナッカシイ物を使わなくてもすみます。

世界で最も効率よく人工光合成 東芝が技術発表
NHK NEWSweb 11月27日 6時22分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141127/k10013517321000.html
東芝は26日夜、人工光合成を行う工程に、特殊な半導体や表面に加工を施した金の触媒を使うことで、太陽光エネルギーからメタノールなどの原料である一酸化炭素を作り出す変換効率を1.5%に高めることに成功したと発表しました。
東芝によりますと、これは藻類に匹敵し、現段階では世界で最も高い水準だとしています。
実用化には、変換効率を10%程度にまで高めることが必要とされるため、東芝は技術の改良を重ねて、2020年代の前半をめどに実用化を目指すことにしています。
***

NHKの元記事は数日後にはリンク切れになるので
他で探してみたところ
よくまとまっているブログを見つけました。
(注:当方は、この方のブログについては
この日のブログしか読んでおりません。
他の日にどんな内容を書かれているか、知りません。
この方のブログ全体を推奨している、ということではありませんので
その点は御了承ください。)

http://ameblo.jp/welcome-elohim/entry-11960689999.html

神戸マラソンでもらった水。
正月で帰省してきた孫の飲料水となりました。
おいしいみたいですよ。
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音楽は平和を運ぶ

2015年01月2日

昨日は朝から高熱の人に対して往診がありました。
インフルエンザは陰性でした。
ほかにも広島市では嘔吐下痢(感染性胃腸炎)が流行中で警報が出ています。
たとえばショッピングセンターなどのトイレのドアノブなどを介して
感染することも考えられます。
予防は手洗い・手洗い・手洗いです。
そして 今年の正月休みは人の多い所に外出をしないこと。
我が家は福袋を買いに出ることは 今年は止めにしました。

さて、
本年の目標について、その2。

大晦日の紅白歌合戦ですが
福山雅治さんの歌、サザンオールスターズの歌、
それぞれに反戦歌がありました。
とくに福山さんの歌は被爆クスノキを題材にしたものでした。

現在、世の中が向かっている方向性の危うさに
敏感なミュージシャンたちは何かを感じ
すでに作品として訴えがはじまっているのかもしれません。

今年は被爆70年です。
私たちも、福山雅治さんも、被爆二世。
私達には、音楽・芸術の才能はないので
直接 作品として世に訴えることはできません。
私たちに出来る方法で何かを活動をしていくしかありません。
それがNPO法人「音楽は平和を運ぶ」です。

被爆70年目の今年、
私たちも慰霊のコンサートを開催します。
また、いくつかのコンサートに共催、後援(役割分担)もおこないます。

音楽には国境や言語を超える力がある。
みんなの心に共通に響く物が、そこにはある。
音楽で人の心がつながれば
それが世界平和への一歩になると信じています。

これが本年の第2の目標です。

宗玄酒造 吟醸酒剣山
今年の我が家の正月は宗玄酒造のお酒でした
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2015年、地域医療の枠組み策定がはじまります

2015年01月1日

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
朝7時30分現在、中区は大雪です。
外出される方は御用心ください。

【業務連絡:医師募集】
在宅医療に興味ある医師の方、
いっしょに働きませんか?
常勤でも、非常勤でも、相談に応じます。
病院での当直勤務が身体的・精神的にきつい、という方や
将来は開業を、とお考えの方も御相談ください。

さて、
本年の目標について。
2015年は地域医療に大変革がおこる最初の年となります。
地域医療の枠組みを、自分たちの手で決めていく年になるのです。
国ではなく地域が決める、という意味で、
その主責任は都道府県。
つまり広島県の責任において広島県の地域医療枠組みが決定されます。
(各市町に枠組み作り作業が県から下りてくることもあるでしょう)。

私には関係ないわ、と思っておられる方、
いえいえ、関係大ありになるんですよ。

たとえば
地域ごとに病院の機能と、その数が決められてきます。
超急性期病床は何ベッド数で何病院、
回復期リハビリ病床は何ベッド数で何病院、
なんていうことが決められ
救急医療などの流れが策定されます。
各病院はその決定に従う必要が出てきます。
今回の枠組み決定には強制力が伴っているのです。
(県は、決定に従わない病院の保険医療機関指定を取り消すことが出来る、と
いうことになっています。
保険医療機関指定がはずれれば、倒産するしかありません。)
各病院は、決定にそった役割を地域ではたすことが必要になります。
今後の役割や規模が従来と同じとは限りません。

外来治療についても、変動があるかもしれません。
今は、病気になったときに、誰でもどこの病院に自由にかかることができますが
これは制限されることになる可能性があります。
例えば、誰もが自由に大学病院を受診することは出来なくなるでしょう。
もしかしたら市民病院や県病院にも 受診制限が出てくる可能性もあります。
こうした基幹病院では 「一般の外来診療はおこなわない」
という決定になる可能性もあるのです。
「まず地域の医療機関を受診し、
その紹介状がないかぎり基幹病院の外来は受診できない」
という地域医療枠組みが決定されれば そうなっていきます。
その決定には強制力があるのです。

このように
超急性期医療を頂点として
急性期・亜急性期医療、回復期、長期療養型医療、
そして外来医療、在宅医療といった枠組み、
その機能や数、配置を
それぞれの地域で決めていく、という作業が
2015年にはじまるのです。

つぶれる病院・医療機関も出てくるかもしれません。
外来診療をしなくなる病院も出てくるでしょう。
これまでとは、病気になった時の患者の流れが
変わっていくのです。
地域で必要な医療機関の診療科目や数、専門医の数も算定され、
新規の開業制限がかかってくる可能性も出てきます。
自由に開業でき、自由に受診できる時代ではなくなる。
住民全員に関係のある話なんですよ。

今回の枠組み決定協議に
在宅医療側の代表者が入る可能性はあまりないと思っています。
県主体で策定する地域医療枠組みがベストになるとは限らない。
私どもは行政に頼らず
患者・家族の希望にそった医療をおこなうには、という視点で
在宅医療の選択肢を地域でしっかり作りあげておく、
ということしかないだろう、と思っています。

これが本年の第一の目標です。

宗玄酒造
山田錦純米冷やおろし
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とくに新しい情報はありません。

082-241-6836(代表)

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平日午後(診療時間内14:30~18:00)