心に残る出会い173 意識障害のあったMさん
カープ、
昨日は 玉村投手をどこまでがまんするか、の試合でした。
だって球が高めにいき、1死も取れないんですもんね。
後続投手陣と 打撃陣のがんばりは すばらしい。
これで 玉村投手は 次はがんばってくれるでしょう。
今日はアドゥア投手です、応援しましょう!
さて、
毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Mさんは82歳。
一人暮らしでした。
市内中心部の医院にて高血圧の内服薬で治療を受けておりましたが、
次第に通院が難しくなったため 当院の外来を受診されました。
外来診察室にて 私たちのはじめての出会いです。
Mさんは お腹もふくらんでいます。
調べてみたところ、一人暮らしで かなりの酒を飲み、
アルコール性の肝硬変になっていたのでした。
かなりの量のお酒を飲みつつ、マイペースで生活をされています。
なにか困った症状があれば、泌尿器科や整形外科の受診もしてもらいながら
ときには病院の内科に入院加療をしてもらいながら、
外来受診を続けていました。
薬の飲み忘れも多かったですが、言い訳したり、とりつくろったり、
ほらをふきながらの通院です。
ところが
ある時、急に受診が途絶えました。
その2年後。
「訪問看護指示書を書いて欲しい。」
というケアマネージャからの依頼で ふたたび外来を受診されました。
整形外科、泌尿器科、眼科には受診されているが、
全身管理をする内科には 受診されていない状況でした。
肝硬変は かなり進行しています。
その後は 当院が司令塔の役割を果たします。
ある日、熱が出て、動けない、と訪問看護から連絡がはいりました。
新型コロナ、インフルエンザの検査は陰性です。
病院に入院依頼をしましたが、どうも意識が少しおかしいようだ、との続報です。
高熱で もうろうとする方は おられます。
また、肝硬変では 「肝性脳症」で 意識がおかしい状態になることもあります。
まれですが、熱と意識障害であれば 脳炎・髄膜炎のこともあります。
病院に とりあえず入院して いろいろ検査がおこなわれました。
その結果、頭蓋骨骨折と、頭蓋内の血腫が認められたのでした。
酒に酔って転んだのか、熱でふらついて転んだのか わかりませんが、
どうも頭を強く打っていたようです。
急きょ基幹病院に転院し 治療が行われました。
それから数週間後。
Mさんは病院でお亡くなりになったのでした。
【解説】
おかしなことを言う、どうも変だ、
という状況は、高齢の患者さんでは珍しくはありません。
多いのは 基礎疾患として認知症や 何らかの精神疾患をともなう場合です。
体調不良時や 薬物によっては せん妄が生じることもあります。
肝硬変の方では 肝性脳症が みられます。
「いつもと比べて なんか変だな」と 周囲が気づくことが 大切になります。
調べて 原因がわかれば 対処できる場合があるからです。
頭部打撲のあと、6か月くらいは なにか変わりがないか、注意が必要です。
打撲直後は出血なくても、じわじわと出血が貯まる「血腫」になることもあるのです。
自分では 異変がわからないことも 多いでしょう。
周囲の人が 気づいてあげること、が ポイントです。
一人暮らしだと、「転んで頭を打った」、ということを 本人が言わねば 誰にもわからないんです。
そごう地下 一福 の 日替わり定食。
とろろそば の 大盛り。
日替わり定食がオトクですね。
映画監督 信友直子さんの市民公開講演会「人生会議やってみん?」
日時:2024年6月23日(日)14時から
会場:東広島市芸術文化ホールくらら 小ホール
信友監督は呉市出身です。
・映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』(2018年)
・映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』(2022年)
など。
参加は無料ですが、参加希望者は 事前申し込みをお願いします。
https://songenshi-kyokai.or.jp/chugoku/archives/505
1月17日、私どもの本が出ました。
紀伊国屋WEB
在宅緩和ケア医が出会った「最期は自宅で」30の逝き方 – 光文社新書
髙橋浩一
価格 ¥924(本体¥840)
光文社(2024/01/17発売) 電子書籍もあります
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784334101992
公民館での講演など、お引き受けいたします。
日程次第です、御相談ください。
【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけがんばって働いているのに、むくわれないというのは、病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高給優遇」のところは見つかると思います。
ただし、高給優遇で求人するということは、キツい職場、あるいは やりがいは少ない職場だ(やり手がいない)という覚悟は必要です。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、在宅緩和ケアは やりがいありますよ!