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広島で肺癌を診療する医療機関

雨の日曜日だったので
自宅でビール飲みながらカープテレビ観戦。
勝つには勝ちましたが、
無死1・2塁で併殺打など
何しよるんじゃ~、そこはバントじゃろう~
みたいな場面がやっぱり多い。
バント失敗の場面が続いているのでバントのサインが出しにくいのでしょうが、
バント練習をきっちりやって、どんな場面でもバントできるくらいにはしてほしい。
プロなんだから。

さて、
肺癌ネタが続きますが、御容赦ください。

広島県では「広島肺がん医療ネットワーク」を制定して
本年度から医療機関名を公表しています。

肺癌は患者数は多く、診断も治療もやっかいな癌です。
死亡原因の1位です。
かなりの専門知識が求められます。

どの医療機関を受診すればよいのか、
これまではわかりにくかったため、
広島県はある一定の基準を満たす医療機関を認定し公表したわけです。
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/www/contents/1268818006825/files/zenntai.pdf

咳や痰が続く人。
健康診断で胸部レントゲンがひっかかった人。
検診を長く受けたことがない人。
喫煙者。
高齢者。
これらのどれかに該当する人は、ぜひ早めに受診してください。
上記ホームページで、お近くの医療機関を探してみてください。

当院(院長)は
日本呼吸器学会専門医
肺癌治療経験が豊富で、検査・治療のメリット・デメリットを説明できる
県の指定する緩和ケア研修会を修了している
基幹病院と連携している
という条件を満たしています。

診断、検査、治療、在宅療養、緩和ケアなど
肺癌について、どんなことでも御相談ください。

写真は7パパオフ会のオードブル
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

ナナパパ主催のオフ会

2010年06月27日

昨夜はナナパパ主催のオフ会に夫婦で参加させていただきました。
パソコン画面でしか知らない人同士が集まって
多くは初対面なのに それでも共通の話題がベースにあって話がはずむ、
なんていうのは 考えてみれば不思議ですね。
とても楽しい時間をすごせました。
みなさん、ありがとうございました。
ナナパパのブログは 反面教師!(親馬鹿チャンリン2)
http://blog.goo.ne.jp/yuusakata/

心に残る出会い12 肝臓癌のTさん

毎月最終の日曜は、心に残る出会いです。
Tさんは60歳、船員で、お酒が大好きでした。
肝臓を悪くして精密検査を受けたところ肝臓癌が見つかり
手術を受けました。
しかし、入院すると禁酒しないといけません。
手術後は早々に退院して、毎日お酒を飲んでいました。
子どもたちは独立し、夫婦二人の生活でしたが
奥様はフルタイムの職業人です。
Tさんは日中は映画を見たり、寝たりして過ごしておられました。

次第に肝硬変となり、腹水も出てきました。
自宅は2階にあり、階段の上り下りがむずかしくなりました。
それでも飲酒はやめられず、ついに通院も困難となったため
私たちに依頼があり訪問診療がはじまりました。

もともと明るい人で、昔のできごとなど面白おかしく話をされるTさんでした。
よっぽどしんどい時の表情は暗いですが、
そうでない限り、笑顔の絶えない訪問診療でした。

最初は黄疸がひどく、腹水パンパン、食事もほとんど食べられず、
とても長くはもたないだろう、と思われましたが
訪問診療・訪問看護も入りいろいろ工夫することで腹水が減り、
腹水が減って腹が楽になると食欲がでてきて、
なんと黄疸も徐々に低下してきました。
しかし、なかなか思うほどには楽になりません。
そこで、
腹水を静脈に返すシャントという管を埋め込む治療はどうだろうか、
(デンバーシャント)
ということを病院の先生と相談しました。
黄疸がひどいと適応にならないのですが、なんと黄疸が適応基準内に下がってきたのです。
腹水による腹部膨満が苦しく、このために食欲が出ないのを何とかしてみよう、と。
苦痛を軽減するための策でした。
シャント施行後は腹水が減り、楽になりました。
食欲もまずまず出てきて、栄養状態も徐々に改善しつつありました。
子どもさんたちやお孫さん達も会いに帰って来られ、
楽しいですよ~とおっしゃっていました。

ある日、高い熱が何日か続くので検査・治療目的で再び入院しました。
入院して数日したところで、食道静脈瘤が破裂。
これが命取りになってしまいました。

奥様は「初めはもう命がないものと思っていました。
おかげさまで夫婦二人でおだやかに数ヶ月過ごせて
ほんとうによかった、ありがとうございました。」とおっしゃっていました。

写真はオフ会のメインディッシュのお肉
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★新型インフルエンザ情報
インフルワクチンの製造株が決定
6月23日21時0分配信 医療介護CBニュース
厚生労働省は6月23日、今年冬の流行に向けて製造する3価インフルエンザワクチンの株を決定した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100623-00000011-cbn-soci

これまでの季節性インフルエンザのワクチンには
3種類のウィルスが含まれていました。
Aソ連H1N1、A香港H3N2、B型 の3つです。
このうち、今回のワクチンでは
Aソ連の代わりに2009A/H1N1pdm(いわゆる新型インフルエンザ)を
加えることが決定しました。
予測されている話で、そういうもんだと思っていましたが
正式に厚生労働省が発表したのが23日だったようです。

これで、今シーズンは
季節性インフルエンザのワクチンの中に新型ワクチンが含まれることになります。
季節性と新型の2つのワクチンをうつ必要はなくなりました。
昨年のような混乱はない、と思われます。

肺癌の生存期間が2年半に!!!

2010年06月26日

マエケンでも負けることはある。
毎回完封できるわけではありません。
ホームラン2発、3点というのは、仕方ないでしょう。
変化球が高めにいったところを打たれましたね。
打線の奮起を期待したいところです。
栗原が帰ってくるまでしんぼう、しんぼう。
それにしても、
よその外人は、よく打ちますなあ。
カープの「打たない外人野手」はいらないのでは。

昨日に引き続き肺癌情報です。
6月24日ニューイングランドジャーナル オンライン版に発表されました。
非常に重要な報告です。

東北大学などによる日本人のデータです。
肺がんの発生に大きな役割を果たすEGFR遺伝子変異を検出し,
その遺伝子変異のある患者にEGFRチロシンキナーゼ阻害薬ゲフィチニブ(商品名イレッサ)を使用した。
進行した非小細胞肺がん患者の平均生存期間は,
従来の抗がん剤治療では1年程度であったが,
ゲフィチニブを用いたEGFR遺伝子変異陽性患者では2年半に延長した。
(最初にゲフィチニブ、無効になった後に通常の抗がん剤治療をおこなった。)

肺癌専門家は、生存期間を延ばすため非常に努力を重ねてきました。
無治療(緩和ケアのみ)だと平均生存期間は約6ヶ月。
20年前くらいの時点では、
抗がん剤治療をおこなえば約8ヶ月でした。
治療することで生存期間が2ヶ月延びるわけです。
しかし、そのために入院治療期間が2ヶ月必要で、
結局 「家で生活できる期間」 には変わりがない、という状況でした。

抗がん剤が進歩してきて、現在では平均生存期間が約1年になっています。
20年間の努力で、生存期間が2-4ヶ月延びた、というのが実情だったのです。
(その間、外来抗がん剤治療などを導入し、
家で生活できる期間というのは相当延びてはいました。
また、終末期も自宅で過ごせるようになってきています。)

イレッサが発売され、中に非常に有効な人がいる、ということが知られてきました。
約1年間、イレッサだけで肺癌を押さえ込める人が出てきたのです。
どういう人にイレッサが有効なのか、どういう人には有効でないのか、
ということもわかってきました。
EGFRという遺伝子に変異のある人で、
このうち腺癌、女性、東洋人(日本人など)、非喫煙者であれば
特に有効である、ということがわかってきたのです。

今回のデータは、
「もっとも有効と思われるグループ」で、どれくらいの生存期間が期待できるか
ということを明らかにしました。
そういう「好条件」を割り引くとしても、
これまで1年とされていた生存期間が2年半になった、というのは
非常に大きな進歩です。
連続的に少しずつ進歩したのではなく、突然に大きく進歩したのです。
こういう進歩を ブレイクスルー と呼びます。
世界に誇れる治療が、日本で確立されました。
本当にすばらしいことだと思います。

もと記事にあたる場合には以下をご覧ください。
Medical Tribune (日本語)
要約は誰でも読めます。詳細を読むには登録が必要です。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1006/1006080.html

ニューイングランドジャーナル オンライン版(英語)
世界でもっとも権威のある臨床医学雑誌です。
要約は誰でも読めます。
全文を読むには登録が必要で、基本契約は有料。
ただし、お試しで少数の論文は無料で読めます。
http://content.nejm.org/cgi/content/short/362/25/2380

東北大学プレスリリース6月24日(もちろん日本語)
概略を知るには、わかりやすいと思います。
http://www.med.tohoku.ac.jp/uploads/%A5%D7%A5%EC%A5%B9%A5%EA%A5%EA%A1%BC%A5%B9%BA%C7%BD%AA%B0%C6%A3%CE%A3%C5%A3%CA%A3%CD0624.pdf

アクアセンター街の五エ門
ピリからマグマうどん。いい感じの辛さです。
ホルモン好きな人には、いいですね。
五エ門には、幻霜ポークステーキなど、広島ならではのメニューもあります。
次回は食べてみなくちゃ。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

サッカー予選突破おめでとう

2010年06月25日

サッカー日本代表、予選リーグ突破。すばらしい!
朝3時前には起きて観戦しました。
昔、釣りに行く時には午前3時半集合、なんていうのも
よくありました。
(最近は夜釣り専門です)
好きな事なら早起きも耐えられるのですよね、不思議なものです。

いつも、パスをつなぐサッカーというのを見てきましたが、
今回の本田や大久保のように、
ドリブルがうまくボールをキープできる選手というのが
とても重要なんだ、ということがよくわかりました。
ボールをキープし切り込んでいく中で倒されてフリーキックを得る。
それを決めるのも、すばらしい。

自分たちよりランキングが上のチームばかりのリーグで
2勝して突破は立派です。
決勝トーナメントでも1つは勝ちたいものですね。
FIFAランキングも上がるのではないでしょうか。

さて、
肺癌について、非常に重要な報告が出ました。
ニューイングランドジャーナルです。
手術適応のない進行非小細胞肺癌の生存期間が
従来の1年から2年半に延びた、という日本のデータです。
これをご紹介する前に、本日は現状について復習しておきます。

本日のお勉強
2002年の肺癌治療例の全国集計に関する報告
肺癌(日本肺癌学会誌) 2009年12月
肺癌登録合同委員会(日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会)
要点
初診が2002年であった原発性肺癌を登録し追跡した。
358施設から18552例が登録された。
平均年齢は67.1歳、男女比は2:1。
組織型は腺癌56.7、扁平上皮癌25.7、小細胞癌9.2%
臨床病期は1A期29.3% (以下、略) 3B期14.4%、 4期20.7%。
5年生存率は全組織で44.3%、小細胞癌で14.7、非小細胞癌で46.8%。
1A期では小細胞癌52.7、非小細胞癌で79.4%。
4期では小細胞癌3.8、非小細胞癌で5.8%。(他は略)

全国の主要病院が参加している、非常に大きなデータ、
信頼性の高い統計です。

肺癌は、治療が非常にやっかいな癌です。
小さい段階、早い段階で見つけることがむずかしく、
進行した状態では手術ができず長期生存は期待しにくくなります。
3B期・4期というのは進行しており手術の対象になりません。
これが合わせて35%ある、という結果です。
3人に1人は、肺癌を発見した段階で手術できる時期を過ぎているのです。
小細胞癌も基本的には手術の対象になりませんので、
合わせると、およそ2人に1人は手術になりません。

1A期というのは、
癌が小さく、リンパ節転移もない段階で発見されており、
手術すれば切除・治癒が期待できる最も早い段階です。
この段階に相当する胃癌であれば ほぼ全員が5年生存します。
しかし肺癌だと、この段階でも8割ほどの人しか5年生存が得られません。
胃癌にくらべ肺癌がいかに治療困難か、ということが
おわかりいただけると思います。

進行肺癌だと(3B期+4期の非小細胞肺癌)
平均生存期間は1年弱しかありません。
20年前と比べ、3ヶ月程度しか延びていなかったのです。
(平均生存期間については、明日引き続きお伝えします)

タバコをやめること、
検診をちゃんと受けること。
まずは、できることから 取り組んでいきましょう。

アクアセンター街のレストラン街にある五エ門。
お好み焼きの肉玉そば。
キャベツは大きくザク切り、麺は固焼きなのが特徴です。
ゴマもたっぷりかかっています。
http://www.aqa-hc.com/pc/floor/gourmet/goemon.html
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

職場における予防接種

2010年06月24日

カープ、最後にどどっと点を取られてしまいますね。
交流戦終了時点で何とか4位あたりにいて、
これから3位を目指していこう、という時に痛い連敗。
がんばってほしいですね。
若手・新人にチャンスを与えてみましょう。

昨日は広島市医師会産業医研修会に出席しました。
・ 最近の労働衛生行政について
広島中央労働基準監督署 文屋憲二署長
・ 職場における予防接種
広島大学大学院 坂口剛正教授

定期健康診断の胸部X線検査などについて法令改正があったのですが、
どうにもテニオハの違いにしか見えません。
解説を聞いてもよくわからない法令なんて、どうなんでしょうね。
もっとわかりやすい文章にしてほしいものです。

予防接種については、
昨年の新型インフルエンザ2009A/H1 で企業もだいぶ右往左往しました。
成人におけるワクチンの重要性についても
社会の理解がすすんできたことを期待しています。
研修会で詳細に解説されたものは
・ 破傷風
・ 麻疹
・ インフルエンザ
でした。
農作業・林業などケガをする可能性のある人は破傷風ワクチンをおすすめします。
年間50人程度が亡くなられています。
高齢者に多くなっています。

そのほかの疾患では
ワイル病
狂犬病
A型肝炎
コレラ
黄熱病
日本脳炎 などが挙げられました。
海外出張、海外勤務などのある人には必要です。
日本では見かけなくなった疾患でも
アジアやアフリカではまだまだ恐ろしい病気なんです。

紀伊國屋広島店で「学市学座」というのが開催されています。
全国の大学で開発された商品が並んでいます。
写真は 紅玉ジャム。(山形大学だったかな・・・)
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★新型インフルエンザ情報
防衛大で40人、新型インフルエンザ集団感染
6月23日10時55分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100623-00000396-yom-soci

神奈川県横須賀市は23日、防衛大学校(同市走水)で新型インフルエンザの集団感染が発生したと発表した。

各地で、散発的に発生しています。
まだ抗体を持っていない人が大勢いますので
とくに若い人を中心に感染が広がることが十分考えられます。
油断は出来ませんよ.

がん患者必携(完成版)

昨日のカープ、
無死満塁で代打 前田。
大いに期待したのですが本塁併殺。
ダメか、と思ったところで東出の2点タイムリー。
東出、調子いいですね。
これで大丈夫、と思ってラジオを消してジョギングに出ました。
夜のスポーツニュースで得点をみてびっくり。

カープの中継ぎ陣は、自信を失っているのでしょうか。
2点リードでは逃げ切れないことが多いです。
3点あれば何とか逃げ切れるのですが。

先発陣はだいぶよくなってきています。
そこで
先発投手に完投ペースでがんばってもらうしかない、と思います。
8回終了時点で3点差あれば締めの投手へ、
2点以内であれば交代なし。
130球でも140球でも、先発が投げきる。
これしかないのでは。

がんについての情報は、たくさん出回っています。
ネット環境にない高齢者などでは
「癌についての情報が少ない」と感じている人もいますが、
少なくともこのブログを見ている人、見られる環境にある人であれば
癌情報は洪水のようにあふれかえっていることが理解できるでしょう。

ウソもあれば、アヤシイ商売のサイトもあります。
たくさんある情報のなかで、何が信じられるのか?
誰を信じたらよいのでしょうか?

答えは、信頼できる情報サイトを捜すことです。
国立がんセンターでは、癌患者必携を作成していました。
このたび完成版ができました。
6月18日に国立がんセンターのホームページにアップされています。

がん情報センター6月18日情報
患者必携(完成版)
ダウンロードできます
配布については現在検討中だそうです

http://ganjoho.jp/public/qa_links/hikkei/hikkei01.html

がん情報センターには、ほかにもがんの療養情報がいろいろあります。
こうした信頼できるサイトの情報を読むようにしてください。

先週土曜日にグリーンカーテンのネットを設置しました。
今年もゴーヤとアサガオです。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

肺炎予防推進プロジェクト「怖いぞ、肺炎! 予防が大事」キャンペーン

糖尿病患者は癌になりやすい

2010年06月22日

ヤクルト戦では、対照的な試合経過となりました。
1試合目は、1回で3ホームラン4点を打ち、勝ち。
2試合目は、1回に3四球・押し出しからタイムリーヒットで4点取られ負け。
同じ4点とられるとして、
どちらが選手・ファンにとって「いい負け方」だったか、というと
これは明らかだと思います。
四球を連発するような投手はプロじゃない。
いきなり押し出し四球を投げるようなリリーフ投手はいらない。

どうせ負けるのなら、勝負して打たれて負けよう。

さて、糖尿病。
コントロール不良の糖尿病患者では免疫力が落ちていて
思わぬ感染症が悪化することをよく経験します。
(例:結核など)
免疫力、抵抗力が落ちていれば、きっと癌にもなりやすいはず、
というのは容易に予想できることです。

今回、6月16日にアメリカ糖尿病学会とアメリカがん学会は
糖尿病と癌についてのコンセンサスレポートを発表しました。
全文を読むことができます(無料)。
http://caonline.amcancersoc.org/cgi/content/full/caac.20078v1

googleだと自動翻訳ができ便利ですが、ちょいと訳が正しくなく分かりにくいですね。
医学用語は特殊なことがあり、仕方ないですが。

サマリーの表を見てもらえばよいです。
・ 糖尿病では、ある種の癌のリスクが上昇する(肝癌、膵癌、子宮体癌、大腸癌、乳癌、膀胱癌)
・ 糖尿病では、前立腺癌のリスクは減少する
・ 健康なダイエット、運動、体重管理は癌リスクを下げるので推奨される
・ 全ての糖尿病患者は癌スクリーニングを受けるよう強くすすめられる
・ まだ多くの臨床上の疑問点が残されている
ほか。(略)

相対リスクは、肝癌、膵癌、子宮体癌では2倍になっているそうです。
糖尿病患者は、癌検診を受けるよう強くすすめられる、ということも重要な点だと思います。

コンセンサスレポートというのは、
現在の時点でほぼ反対する人はいないだろう、という合意部分について
まとめて発表したもの、と考えてよいです。
ここに書かれた内容の多くは当分変更はない、と考えていいでしょう。

検診で糖尿病の疑いがある、と言われて放置している人はいませんか?
尿糖が出ている、あるいは血糖が高い、と言われても
そのままにしている人はいませんか?
糖尿病の治療を中断していたり、検査を受けに行っていない人はいませんか?

糖尿病を管理する・コントロールすることも非常に大事です。
(悪化すると糖尿病性網膜症で失明したり、腎症で透析治療になったりしますよ)
しかし、それだけではなく
他の人よりも癌になりやすい、ということですから
癌検診をきちんと受けることも大事です。

糖尿病、糖尿の疑いの人は放置せず、かかりつけ医に御相談ください。

今週の花 ユリ、カスミソウ、セイヨウノコギリソウ、キンギョソウ、アスター。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

爪が黄色くありませんか

2010年06月21日

サッカー、勝てなくて残念でした。
キーパーの手をはじいてゴールできるほどの強力なシュートを
打てる選手がいるかどうか、という差が出ました。
見事な無回転シュートでした、仕方ないです。

オランダ戦を負けていても引き分けていても、
結局は第3戦に勝つか引き分ければよい、という状況は同じことでした。
引き分けでもよい、というのは かなり希望が持てますね。
でも27時30分からの試合、翌日も仕事あり、見るべきかどうか・・・。

さて、
爪が黄色い、という相談は時々あります。
でも、診察してみれば正常範囲で心配ない、
ということがほとんどです。
バランスよく食べましょう、というくらいことです。
しかし、
慢性の呼吸器症状を伴っていれば話は別かもしれません。
「黄色爪症候群」であれば治療薬が違ってきますので、
呼吸器内科で御相談されてはいかがでしょうか。

本日のお勉強
両側胸水を認めた黄色爪症候群の1例
日本呼吸器学会雑誌2010年6月号
国立病院機構 姫路医療センター呼吸器内科 渡辺悦子先生ほか
要点
黄色爪症候群は、
・成長遅延した黄色爪
・リンパ管浮腫
・呼吸器病変
が3主徴とされ、このうち少なくとも2つの症状の存在が必要。
先天性のリンパ還流異常が基礎に存在し、後天的に感染などを契機として還流障害が顕在化してくるものと考えられている。
これまでの報告では、平均年齢は61歳。男女ほぼ同数。
3徴候が全て同時に出てくるとは限らない。
呼吸器症状は慢性咳嗽56%、胸水46%、気管支拡張症44%、慢性副鼻腔炎41%、肺炎再発22%。
黄色爪の成長速度は極端に遅く0.2mm/週以下で爪甲が肥厚する。
治療はビタミンE、クラリスロマイシン、などが有効だったとする報告がある。
ただし複数患者の検討ではビタミンEの効果は不明、とされている。
生存期間中央値は132ヶ月。

私も原因不明の胸水は時々経験しています。
多くは「良性石綿胸水疑い」、ということで経過追跡していきます。
黄色爪症候群は、これまで経験したことがありません。
めったに出くわす病気でないことは確かです。

写真はプリンスホテルの祝賀会でいただいたイモ焼酎 帝王。
香りもよく、まろやかな味わいで、非常にすばらしい。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

グリーンバナナプロジェクトin大聖院

2010年06月20日
20日(本日)16時から、宮島大聖院観音堂にて
心で奏でるコンサートwith大瀬戸千嶋
が開催されます。
主催はNPO広島がんサポートです。
立ち見は無料、事前申し込み不要。
(堂内で鑑賞する場合にはチケットが必要です。
当日券があるかどうか、は不明です。)

私がJA広島総合病院の緩和ケアチームリーダーだった時に、
「スピリチュアルペイン」という概念を日本の現状に合わせたものが
必要なのではないか、と模索していました。(今も模索は続いています。)
キリスト教文化を直接翻訳・導入したものは、どうも現場にはしっくりこない。
日本の風土にあったものが絶対に必要だ、と考えていました。

そこで、
大聖院の吉田正裕座主にお願いして、市民公開講演会で講演いただいたことがあります。
吉田座主は快く講演を引き受けてくださいました。
こういった活動に理解をいただける方です。

がんを考えるきっかけになれば、と思います。
ぜひご参加ください。
※注:当院はNPO広島がんサポートとは何の関係もありません※

プリンスホテルでの祝賀会でいただいた日本酒、
五大天 特別本醸造。
すっきりしています。
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★ 新型インフルエンザ情報
新型インフル迅速検出キット発売。
栄研は、新型インフルエンザを35分間で検出できる検出試薬キットの
製造販売承認を取得した、と発表しました。
6/17同社プレスリリース
http://www.eiken.co.jp/news/pdf/20100617-1.pdf

これまでは新型の確認のためにはPCR検査で約1日かかり、
この間 検査担当を1名はりつけておかねばなりませんでした。
PCR検査は都道府県や政令市の衛生研究所で実施していました。
これが35分でできる、というのは大きい進歩です。

ただし、
臨床の現場にはほとんど影響はない、と思います。
A型インフルエンザ、ということさえわかれば
季節性か2009A/H1(新型インフルエンザ)かどうか、というのは
治療方針には全く影響しませんので。

毎月19日は わ食の日

2010年06月19日

今日はサッカー日本戦ですね。
放送時間もいいし、きっとテレビを見る人も多いでしょう。
ビール飲みながら応援したいと思います。
(自宅でのテレビ観戦の人が多いと、土曜夜の飲食店には痛手かもしれませんね)

広島市では、毎月19日(食育の日)を、
次の3つの「わ食」を推進する「わ食の日」としました。
和 和食 栄養バランスのとれた日本型食生活
輪 輪食 食卓を囲む家族の団らん
環 環食 環境に配慮した食生活

これは広島市食育推進会議(事務局 広島市教育委員会)
というところが担当しているようです。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1213684442266/index.html

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1213661661104/index.html

平成20年3月から、とのことですが、知りませんでした。

ぜひ子ども達に豊かな食生活習慣を身につけてもらいたい。
それが生活習慣病を防ぐ、自分の身を守ることに直結します。
健康な人生をおくることの基礎は
なにも特別なことなど何もなく、
食事・運動・睡眠といった基本的な生活そのものだ、ということを
ぜひ子ども達に繰り返し伝えたいものです。

正しい知識を身につけましょう。
知識のワクチン = 正しい知識が自分や社会を守ります。

写真はプリンスホテルからの眺め
呉方面を見ています。
左側が坂・呉ポートピア方面、右は江田島。
行き交うフェリーもよく見えます。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

肺炎予防推進プロジェクト「怖いぞ、肺炎! 予防が大事」キャンペーン

082-241-6836(代表)

和平会・診療についてのお問い合わせはこちら
平日午後(診療時間内14:30~18:00)