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おしい!広島県 の作り方

2013年04月22日  

暑くなったり寒かったり、大変ですね。
調子を崩す人も出ています。
とくに高齢者や認知症の方については
周囲が服装など配慮してあげてください。

さて、
メタボ検診なんて、大きなお世話だ、と
思っているメタボなあなた。
メタボ解消すれば医療費がかからなくなる
という具体的な利点が見えてきましたよ。

メタボの人、医療費が平均で年9万円高に
Yomiuri online (2013年4月7日03時06分 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=75680
厚生労働省は、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と判定された人の医療費がその他の人に比べ、平均で年約9万円高くなっているとする調査結果をまとめた。
***

メタボ解消するには
食事と運動です。
体に入ってくる摂取カロリーと
運動などで消費するカロリー。
この差引がプラスなら体重が増えるし、
差引がマイナスなら体重は減ります。
考え方は簡単でしょ。

季節は良くなってきました、
まずは歩きましょう。
最初は5分でも、10分でもよいです。

年間300日歩いて、年間9万円の医療費が浮くとすれば
1回の散歩で300円もうかることになります。
これなら、やる気が出ますでしょ!

黄砂の日は外に出ないほうがいいので
黄砂情報の確認をお忘れなく。

浅草ビューホテルからの眺めはいいですね。
日曜午後には雨がやみ、全景が見えました。
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★インフルエンザ情報
神奈川県綾瀬中学校では22日に学級閉鎖が出ています。
毎年5月中旬頃まではB型インフルエンザは
ダラダラと発生が続きます。
まだまだ油断せずうがい手洗い咳エチケット。

ノニジュースに御用心

2013年04月21日  

昨日のカープ、
1死で3塁に走者がいれば
ボテボテの内野ゴロでいい、という証明でしたね。
これでいいんですよ。
前田智徳の調子もいいですね。
巨人に土をつけることができて、よかったです。

さて、
おしい!広島県キャンペーンはインパクトがありました。
まだまだ継続してほしいですね。
続編や展開していく話を見たいです。
このキャンペーンの成立した背景や意義を
考察した本が出ているようです。

おしい!広島県の作り方
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1303/28/news026.html
「おしい!広島県」の作り方――戦略的広報とは何か?
広島県が話題になっている。人任せではなく、現場が情報の伝え方を考え抜き、リーダーが決断。過去の慣習にとらわれずやればできる。
***アマゾン中古書で900円

湯崎知事の決断は話題になりましたね。
広告代理店に丸投げではない、
よく考えられた方法をとっているのが成功の秘訣だそうです。
このキャンペーン以降、
お金をかけずに県産品の販売を拡大できたりしているそうですよ。

類似した内容の本では
熊本県庁チームくまモン の本も出ています。
時間があれば、この2冊は購入して読んでみたいと思っています。
地方活性化に知恵を絞りましょう。

土曜夜の東京
タワーの上方は雲の中に隠れていました。
これはまだよく見えていたほうです。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

原発をめぐる2つの視点

2013年04月20日  

ノニジュースに御用心

もっと健康になりたい、と
健康食品やサプリを摂取されている方もおおぜいおられます。
でも
体にいいかどうか、は
一人ひとり違うのです。

今回、日本医師会からノニに対する注意喚起情報が出ました。

ノニ というのは東南アジア、太平洋諸島(タヒチなど)等にある植物で
多くはジュースとして販売されています。
もともとは赤や黄色の衣類の染色に使用されていたそうです。

民間伝承的に
あらゆる症状へ「クスリ」として、
あるいは健康食品として勧める人がいます。
しかし、
ヒトを対象として有効性を証明したデータはありません。

ノニは カリウムを多く含んでいます。
腎臓が悪い方は特にカリウムに要注意なのですが
腎臓病患者がノニジュースを飲んでカリウムが高くなった事例の
報告があります。
(注:カリウムが高くなるとどうなるか、というと
心臓が止まります=死亡します。)

ノニによって肝臓が悪くなった事例は多く報告されているそうです。
肝臓毒性はありそうです。

医薬品との相互作用も報告されています。
高血圧治療薬、ワルファリン、利尿薬などです。
(注:薬剤相互作用とは、薬が効きすぎたり、効かなかったり、
強い副作用が出ることがある、ということです。)

つまり
少なくとも心臓病(高血圧や不整脈)や腎臓、肝臓が悪い方は ノニ摂取を避ける必要があります。
また、
妊娠中に摂取してはいけない、とされています。
授乳期の安全性については、安全というデータがありません。

万人の健康によい、という物はないのです。
とくに
摂りすぎていい、という物はありません。
ノニなんていうのは、昔の日本人は見たことも聞いたこともない食品です。
ノニがなくて健康面で困った、という日本人は先祖代々いないのです。
もともと日本人が摂取すべき食品・摂取したほうが良い食品とは言えないのですね。

自分はノニを摂取しても大丈夫、という確信が持てない場合には
近寄らない方が安全です。
ノニを摂取しなくても何も困ることは生じません。
かりに摂取する場合でも、少量にとどめましょう。

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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

高血圧や糖尿病も治る ニセ医学

2013年04月19日  

本日の診療は、都合により10時までです。
御迷惑をおかけしますが、御了承ください。

さて、
今週後半になり、原発をめぐる報道が飛び交っています。
廃炉に向かうのかどうか。

柏崎刈羽「廃炉」も浮上 規制委、活断層否定できず
産経新聞 4月19日(金)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130419-00000122-san-soci
東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)の敷地内断層で18日に示したデータ。
活断層かどうか審査する原子力規制委員会は、30万~20万年前に動いた形跡のある地層について「活断層の可能性は否定できない」と判断するとみられる。
規制委の今後の審査次第では、断層直上にある原発の廃炉という選択肢も浮上する。
***引用終わり

記事をよく読んでいただけるとわかりますが、
今後の展開次第では廃炉も選択肢にのぼってくる可能性がある、
というだけの話です。
断層の真上に原発がある、という状況はまっぴら御免です。
さりとて
廃炉に希望を持たせる記事を書く段階ではなさそうです。
廃炉に期待したい、という思いが
こういう記事を書かせたのだと思います。
ああ、でも断層真上の原発なんて、イヤですね、
廃炉してほしいですね。

もう1本の記事。

柏崎刈羽の断層、東電「現基準で活断層でない」
読売新聞 4月19日(金)8時59分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130418-00001655-yom-sci
東電は「現行の指針では活断層ではない」と話している。
***引用終わり

東電は今回の事故で、何を学習したのでしょうか?
同じパターンを繰り返しているとしたら
確信犯で許せませんね。
事業を推進・継続するためなら
不十分な基準・指針とわかっていたとしても
推し進めようとする姿勢が明らかです。

自分で調査して
都合の良い結果だけ取り出してきて
大丈夫、安全です、
って言うのは当たり前です。
金のなる木なんですから。
当事者(電力事業者)は立地調査や判断が出来ず
第三者の調査や判定に従うように
制度を変えていかねばならないでしょうね。

ジャムパンもいろいろありますね。
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★新型インフルエンザ情報
感染症研究所「鳥インフル大流行の可能性 否定できず」
TBS系(JNN) 4月20日(土)0時50分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130420-00000000-jnn-soci
中国で患者が増加しているH7N9型の鳥インフルエンザについて、国立感染症研究所は「限定的なヒトからヒトへの感染が起こっている可能性があり、大流行の可能性は否定できない」とするリスク評価を初めてまとめました。
***

ヒトーヒト感染はありうる、として
いつでも警戒態勢にはいれるようにしておく、
という準備は必要ですね。
みなさまの職場でも、新型インフルエンザ対応マニュアルを
この時点でもう一度確認しておかれることをおすすめします。
時代に合わない点は書き直しておきましょう。

肺炎球菌ワクチンの費用助成継続です

2013年04月18日  

カープ、逆転サヨナラはいいですね。
盛り上がります。
今村ミコライオの登板順を代えて勝ちを逃した逆転負けゲームを
取り返しましたね。
2位以下は団子状態ですので
面白くなっていますね。

ひさしぶりに、ニセ科学・ニセ医学の記事です。

消費者庁、誇大表現の疑いで医療機器「ヘルス」立ち入り
朝日新聞デジタル 4月18日(木)5時36分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130418-00000007-asahi-soci
頭痛や肩こりなどを緩和するための医療機器「パワーヘルス」を全国で製造販売している「ヘルス」(東京都府中市)が、「高血圧や糖尿病も治る」などと効果を口頭で誇大にうたって売り込んでいた

「夜寝て使用すると3倍の効果がある」と説明していたが、ヘルス側は取材に対し、「根拠はなかった」と認めた
***引用終わり

ひさびさのニセ医学ネタですから
ちょっと基本をおさらいしていきましょう。
この記事で大きな問題は2つ、です。

まず、
高血圧や糖尿病も治る
という部分です。
高血圧や糖尿病は、食事や運動の影響を受けます。
ですから、
生活習慣病 という表現をされます。
長年の習慣が積み重なって病気の体になってきたのです。
対応としては、
まず生活習慣を改善し、それでも不十分な場合には薬を使用。
病態を「コントロールする」という言い方になります。
医師は
高血圧や糖尿病を「治しましょう」とは言いません。
「コントロールしていきましょう」と言います。

生活習慣病については、
病気そのものを無くしてしまう、
というのは不可能なことが多いです。
病気が無くならなくても
病気による障害を防いでいけば
問題なく一生を終われることになります。
ここが急性期疾患との考え方の違いです。

つまり、
「高血圧や糖尿病が治る」とうたっている物があれば
それだけでニセ医学・ニセ科学と考えてよいでしょう。

2点目。
かれらのセールストークには根拠がなかった、
と自ら認めているようです。
もともとがニセ医学なのですから
根拠などあるはずもないですね。
「必ずもうかる」
「絶対に損はさせません」
なんていう話と同じなのですよ。
おいしい話があれば一歩さがって
冷静に判断しましょう。
根拠を示せ、と言ってみてもいいですね。

根拠なく「○○病が治る」、と言えば薬事法違反になります。
今回は薬事法を取得した機器で別の効能をうたっており
景品表示法違反(優良誤認)になるようです。

こういうニセ医学物件をみかけたら
お近くの消費生活センターに御連絡ください。

いつも朝食は食パンとコーヒーなのですが
時には食パンに飽きることがあり、
その時には菓子パン。
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★新型インフルエンザ情報
ヒトーヒト感染があるのでしょうか。
県などは対策にむけて準備をはじめているようです。

不妊治療の助成は39歳まで

2013年04月17日  

菓子博、もうすぐ開幕ですね。
昨日は中央公園の近くに訪問診療に行きましたが、
中央公園は臨時駐車場としての整備がすんでいます。
といっても、二輪駐車場と関係車両・バスなどだけで
一般参加者の車両向けの駐車場はないようです。
菓子博ホームページはアクセス急増で回線がパンクしたそうです。
菓子博会場近辺で菓子博渋滞、するのでしょうか?
当方は今のところ菓子博に行く予定はないのですが
渋滞するようだと往診にさしつかえが出てしまいます。
菓子博開催中は往診ルートを変更しないといけないかも。

さて、
広島市内在住の75歳以上の方のみ対象ですが、
肺炎球菌ワクチン接種の費用の3000円助成制度が
本年度も継続実施されます。
申請締め切りは平成26年2月28日まで。
これで接種助成券をもらいます。
助成券の有効期間は平成26年3月31日までです。

手続き先などの情報は
以下の広島市医師会ホームページを御覧ください。
http://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/archive/vaccine-info/data/elderly_pneumonia.pdf

脾臓摘出手術を受けた方については
健康保険証が利用できますので
医療機関で御相談ください。
健康保険を使用したほうが安いです。

なお、
肺炎球菌ワクチンは当院では予約制です。
ワクチンの保存可能期間がそんなに長くありませんので。
接種助成券を入手したら、
窓口にて予約をお願いいたします。
その時にワクチン接種問診票をお渡しいたします。

柿ようかん。
久しぶりに買ってみました。
昔の方がもっとクルンと楽しくむけたような気がします。
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★新型インフルエンザ情報
中国で感染者・死亡者が増加していますが
とくに目新しい情報ではありません。

いつからエンド・オブ・ライフ・ケアなのか

2013年04月16日  

曇り空なのか、黄砂なのか、どんよりですね。
カープも、どんより。
昨日も黄砂による体調不良の方が
何人も受診されています。
喘息の方は吸入ステロイドを増やしておきましょう。
不要不急の外出は数日間控えましょう。

さて、最近のニュースから。

不妊治療助成「39歳まで」有識者会議で検討へ
読売新聞 4月9日(火)7時13分配信
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130408-OYT1T01701.htm
***一部引用
不妊治療への公費助成について、厚生労働省は、対象年齢に上限を定めることを含めた制度改正の検討を始める。
同省研究班(代表者=吉村泰典・慶大教授)が、40歳以上では医学的な有効性や安全性が低く、「公的助成に年齢制限を設ける場合、39歳以下とするのが望ましい」とする報告書を先月まとめたため。
***引用終わり

年齢が高くなるにつれ
妊娠率も下がるし、流産早産の率は高くなる。
また逆に、年齢が早ければ早いほどよいわけでもない。
総合的にみれば
「出産適齢年齢」があることは知っておくべきことです。
「結婚適齢期」とは別に考えていいのですが。

出産適齢年齢がある、ということを知らない女性が
増えているのが問題です。
40歳すぎて結婚して、
さあ子供を、と思ってもなかなか妊娠せず
この年齢では妊娠率が非常に低いと知ってあわてる、ということになります。
最近の若い人の中には、50歳を過ぎても妊娠出産が普通にできる、
と思っている人もいるようです。

公的費用を投入する事業については
費用と効果のバランスを常に考えておくことが必要です。
国が余裕たっぷりであるなら
何歳であっても補助金だせばいいことなんですが。
国の赤字が積み重なってきていますから
年齢制限があるのは仕方がない、と思います。
「費用対効果」の現状の実際とか今後の試算など
公開して議論をすることは必要でしょうね。

さて、助成に制限をするとなると
出産適齢年齢について学校で教えておく
必要があるのだと思います。
全員が高校に進学するわけではありませんので
国民全員が共有すべき内容については
小中学校で教えておくのが原則です。

母子ともに最もよいのは20歳代での出産です。
20歳代で出産・育児できる社会環境を整備する、
ということが
結局国民全員の幸せにつながるのだと思います。
ようは
教育と支援体制を作らないことには
少子高齢化社会から抜け出すことは出来ない、
ということなんだと思います。

毎日チーズを1切れ食べているのですが、
今回はじめてチーズデザートというものを買ってみました。
チーズが軟らかく、たしかにデザート感覚ですね。
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★新型インフルエンザ情報
本日夜は池上彰さんのインフルエンザ特番があります。

エンド・オブ・ライフ・ケアとは

2013年04月15日  

平成24年度 厚生労働省 在宅医療連携拠点事業の報告書提出が終わりまして、
のんびり出来るはじめてのお休み、のはずでしたが。
昨日は東京の日本内科学会に参加してきました。
専門医制度がどうなるか先行きわかりませんが、
土台になる内科学会の認定資格を維持しておかないと
その上に位置する専門科目の専門医の資格も維持できません。

実践的生涯教育プログラム に参加してきました。
エンド・オブ・ライフ・ケアについて
~尊厳をもって生きるために~
講師:淀川キリスト教病院 田村恵子先生

緩和ケア、というと
癌に特化したイメージがあります。
緩和ケア病棟に入院できるのは癌とエイズ患者のみです。
しかし
在宅緩和ケアをやっていると
対象者は癌だけではなく、
終末期をむかえている全ての人が対象なんです。

で、
疾患を限定しない用語として
エンド・オブ・ライフ・ケア
という名称が1990年代から使われるようになってきています。
ただし、
まだ新しい名称のため
北米と、日本・ヨーロッパでは微妙に概念が違うそうです。
北米では広い概念、
日本・ヨーロッパは狭い概念(=ターミナルケア、≒緩和ケア・ホスピスケア)

今後はエンド・オブ・ライフ・ケアという言葉を
よく目にするようになると思います。
論文や著書を読む時には
どういう背景で書かれているのか
ちょっと注意が必要かもわかりませんね。

在宅看取りに対応している医療機関はどこもそうですが、
当院も癌緩和ケアに特化しているわけではなくて
エンド・オブ・ライフ・ケアに対応しているわけです。
御希望があれば御相談ください。

ひよこ100周年ストラップ
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★新型インフルエンザ情報
北京でも患者が出てきましたね。
ヒトーヒト感染が生じているのか。
いつ警戒態勢にはいってもいいように
準備が必要ではあります。

イレッサ裁判と遺族の思い

2013年04月14日  

カープ、調子いいですね。
今日は先発 戸田。
若手の起用もいいですね。
野村監督、いい流れを作って若手を育成し
今年で引退してもらいたいものです。

さて、イレッサ訴訟の最高裁判決が出ました。

イレッサ訴訟、遺族側の全面敗訴確定 最高裁が上告棄却
iza産経新聞2013/04/12 15:23
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/645955/

亡くなられた患者さん、御家族には、
まず、お気の毒なことでした、と申し上げます。
その上で、
この判決は妥当であり当然であろうと考えます。

イレッサというのは、分子標的薬のはしりの薬です。
癌細胞に生じている遺伝子変異のうち、
癌が成長するのに重要な役割をしている分子をブロックしてやれば
癌が消えるのではないか、という考えの薬です。
実際に、効く人にはよく効きます。
癌が画像検査で全く消えてしまった人も経験しています。
(効かない人には全く効果ありません。
効くか効かないか、その2つしかなく、中間はありません。)
しかし
完全に治ってしまうわけではなく、
仮に効果があった場合であっても
約1年後には薬が効かなくなって癌が再増殖をしてきます。
癌細胞が、この薬剤が効かなくなるような
2度目の遺伝子変異をおこすためです。
つまり イレッサというのは、
約1年間、元気で暮らせる時間を得られる可能性のある薬、
ということです。

どんな薬にも副作用はあります。
メリットとデメリット、その天秤のうえで
薬を投与するか投与しないか、を決めていきます。
通常の抗癌剤は、薬によって癌が消える率が2%、
抗がん剤で死亡する率が2%、
こういうバランスで使用されています。
薬が少なすぎれば癌に効かない、
十分に効く量にすれば副作用が避けられない、
そういうことなのです。
効果を期待するためには数%の死亡率はやむを得ない、
そういう薬剤量を設定しているのが抗がん剤なのです。

イレッサについては
間質性肺炎という副作用をおこす危険性が4%
副作用で死亡する率が2%、
いったん副作用が生じれば
食い止めることはむずかしく、
短期間で亡くなられます。
しかし、もし効けば、安定した生活を1年保つことが期待できる、
と、こういう薬です。

抗がん剤が効くかどうか、
副作用で死亡してしまうかどうか、
というのは賭け、ギャンブルです。
結果をあらかじめ予測することは不可能です。
つまり、
イレッサで死亡するのは仕方がない。
運がなかった、賭けに負けた、ということです。
ここは裁判の争点にはなっていません。

争点になっていたのは
死につながる間質性肺炎という薬の副作用、
これが薬剤添付文書の4番目に記載されていました。
こんな副作用ならば添付文書のもっと上の方に記載して
注意を喚起していなければならなかった、
国と製薬メーカーに責任があるはずだ、
というのが今回の裁判の争点です。

しかし、ですね、
私の肺癌治療医の立場・経験からすると
癌治療医は添付文書のすみずみまで読んでいます。
製薬メーカーから薬の説明を受け、
学会や講演会などで情報を集め、
それでようやく使用するのです。
添付文書の上の方に書かれていようが
下の方に書かれていようが
実際には何の影響も与えません。

抗がん剤で治療をすること、
それはギャンブルなのだ、
ということを理解していただきたいと思います。
抗がん剤は安全で優秀な薬ではない、ということを御理解ください。
結果としてギャンブルに負けたことはお気の毒ではありますが、
裁判をおこすという性質の出来事ではないと思っています。

遺族の無念な気持ちはわからないでもありません。
でも、
この記事を読むかぎり、考え方が間違っていると思います。

<イレッサ訴訟>全面敗訴へ 遺族「命はこんなに軽いのか」
毎日新聞 4月2日(火)20時53分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130402-00000077-mai-soci
「東京高裁の判断が維持されるなら、結局娘がなぜ亡くなったのか分からない。がん患者の命はこんなに軽いのか」
***引用終わり

娘さんが亡くなられたのは癌のためです。
イレッサを使っても、使わなくても、癌で亡くなられています。
イレッサという最後の頼みの綱に賭け、
賭けに勝てなかった、というだけのことです。
(仮にイレッサが効いていても、1年後頃には亡くなられているはずです。)
亡くなられた原因は癌であり、明明白白なんです。

癌治療医で、患者の命が軽いなどと思っている医師は一人もいません。
一人ひとりに真剣に向き合い、
最善の治療を模索し、
死亡する可能性のある薬であることを承知した上で
抗がん剤治療をおこなっています。
本人・家族にも、死亡することのある薬であることを
説明し、了解していただき治療をおこなうのです。
本人や家族が、それを知らなかったとは言わせません。

癌で死亡するのは
癌治療医が悪いのでしょうか、
癌治療薬が悪いのでしょうか?
癌で亡くなられたことはお気の毒ではありますが、
誰かのせい、何かのせいにするのは
筋違いだと思います。

抗がん剤の副作用がイヤならば
抗がん剤治療を受けない、という選択肢もあります。
薬があるから全員が治療を受けなければいけない、
という話ではありません。
私は、そういう人を何人も経験しています。
「もう十分生きさせてもらった。
もうこれ以上、積極的な治療はもういいです。」

それ以上の癌治療を選択されず
淡々と人生の最期を迎えられた多くの人を知っています。

いただいた日本酒。
おいしいのはおいしいのですが、
無理して辛口淡麗に振りすぎている感じがします。
個人的には、もう少し自然な作りのほうがおいしい酒になったと思います。
辛口淡麗が好きな方にはオススメです。
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★新型インフルエンザ情報
中国のH7N9。
タミフルなど抗インフルエンザ薬が効くそうですから
現時点でパニックになる必要はなさそうです。
冷静に続報に注目していましょう。

チョイス@認知症予防の取組み

2013年04月13日  

昨夜は広島市医師会夜間急病センターで勤務でした。
インフルエンザ検査も何人かにおこないましたが陽性者なし。
何らかのウィルス感染症はあるようですが
インフルエンザはほぼ終息ですね。

さて、
昨日、一つの区切りがつきました。
平成24年度 厚生労働省 在宅医療連携拠点事業に採択され
1年間活動をおこなってまいりました。
「在宅・施設医療ネットワーク広島」
在宅医療と施設医療を同列に論じ、
課題解決には同じ手法が適用できる、
というのが当方の出した課題解決策で
この視点は当方の独創的なものです。
昨日、活動報告書を厚生省に郵送、提出しました。
これで一区切りです。
御協力いただいた皆様、
講演会や多職種連携に御参加いただき貴重なご意見をくださった皆様、
ありがとうございました。
厚生労働省の支援を得られる期間は終わりましたが、
私たちは今後も在宅医療連携拠点として
活動を続けてまいります。

在宅医療連携拠点の活動の一つとして
本年度の市民公開講演会の開催が2つ、すでに決まっています。
第一弾として、
浦上克哉先生を6月に広島にお招きして
市民公開講演会「認知症予防の最新情報」をおこないます!!

まずはテレビを御覧ください。
NHK教育テレビ(Eテレ)
チョイス@病気になったとき
http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/index.html#/content_0
4月13日(土) 午後8時~8時44分
再放送金曜日午後1:05~1:49
認知症をくい止めろ
増加の一途をたどる認知症患者。発症をくい止めるためには、あるチョイスが重要だ。多くの人が見過ごしてしまうそのチョイスとは一体何か?成功した人からその極意を学ぶ。

出演:鳥取大学 医学部 教授
浦上 克哉(うらかみ・かつや)

当方の主催する浦上先生の市民公開講演会は
6月16日(日)14-16時の予定です。
もちろん参加費無料
細部が確定すれば広報開始しますので
お楽しみに。

広島駅新幹線口のミニヨン ミニクロワッサンセット
カープ応援セットだったかな、6種+1個で550円。
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★インフルエンザ情報
広島県は4月11日、インフルエンザ警報を解除しました。
あともうしばらくの間、B型が散発的にみられるでしょうが
シーズンインフルエンザはほぼ終息に向かいます。

082-241-6836(代表)

和平会・診療についてのお問い合わせはこちら
平日午後(診療時間内14:30~18:00)