寒いですね、今朝の中区では雪がちらちら舞っています。
太陽は出ているので、積もるようなふりかたではないですが。
県北部では じゃんじゃか降っていますかねえ。
昨日は、第56回広島地区呼吸器カンファレンスに参加してきました。
広島市近辺の呼吸器内科医師が集まっての勉強会です。
毎年さいしょのカンファレンスは
県立広島病院院長 桑原正雄先生の感染症のトピックスの講義です。
マイコプラズマ感染症について。
長引く咳 の疾患のひとつにマイコプラズマ感染症があります。
昔は4年ごと、オリンピックの年に大きな流行がありましたが、
最近では4年ごとの波はほぼ消失しており、
全体としては患者は増加傾向にあります。
問題は
マクロライド系の抗生物質に耐性の菌が非常に増えていること。
薬が効かない、というわけです。
とくに小児では、9割近くが耐性菌になっています。
成人ではそこまでではないようです。
当方は内科なので成人にかぎっていえば
ミノマイシンは有効。
ニューキノロン系でもマイコプラズマへの薬効を取得しているものもあり
特に新しく発売されたニューキノロンは効果があるだろう、
と考えられています。
というわけで
内科(成人)については、そう困ったことにはなりません。
長引く咳、という方は 呼吸器内科を受診してくださいね。
話題はもう1つ。
昨年12月の中国新聞に
広島県が感染症センターを設立する、という報道がありました。
記事12月2日
広島県は2013年4月をめどに、新型インフルエンザなど感染症対策の拠点となる県感染症・疾病管理センター(仮称)を設置する。国内外の発生情報の収集や医療機関の連携、医療スタッフの人材育成などを担う。設置場所は今後決める。
県によると、感染症に特化した拠点施設を都道府県が整備するのは珍しいという。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201112020041.html
アメリカにはCDCという感染症対策の専門機関があります。
名実ともに世界の感染症研究・対策をひっぱっている機関です。
で、広島版CDCを作ろう、というお話であり、
桑原院長は、先週アメリカCDCに出張に行ってきたばかりだそうです。
準備は着々と進んでいるようですよ。
感染症対策は住民の健康に直結しますので
専門センターが出来ればいいですね。
広島市にも県にも衛生研究所はありますが、
広報など総合的にみれば 全国ではざっくり「並み」レベル。
(関係者のみなさん、がんばっておられるのに「並みレベル」と言ってごめんなさい)。
感染症でちょっと調べたいな、と思う時は
国の感染症情報センターか横浜市の衛生研究所のホームページを
たよりにしているのが現状です。
地方自治体の中で、横浜市はすごいです。
横浜市に負けない広島版CDCをぜひ実現させてほしいと思っています。
いかに有能なスタッフを集め、育てられるか、ですね。
今週の花 スイセン、センリョウ
★インフルエンザ情報
広島市は6日付で21校の学級学年閉鎖を発表しています。
広島県は6日付で51校の学級学年閉鎖を発表しています。
休校休園はいまの時点ではないようです。