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介護保険へのパブリックコメント募集

2010年03月2日 ,

前回は介護保険手続きについて、でしたが
今回は介護保険全般へのパブリックコメント募集です。
2月24日から3月末まで。

2年後には医療保険と介護保険の同時改訂になります。
今回は政権交代後まもないので、制度そのものの大きな作り替えは時間的に無理でした。
2年後には、政権政党の意志が、反映される改訂になるものと思われます。
介護保険利用者の視点からの意見を ぜひお寄せ下さい。
今なら意見を聞いてもらえると思います。

http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p100219-1.html

おひなさま と ツバキ、スターチス、カスミソウ。
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★新型インフルエンザ情報
マスク、余っています。

現在、薬局やホームセンターでマスク大量に余っています。
とくにホームセンターでマスクは かなりの安売りがはじまっています。
1箱2箱ストックしておくのに 良いかもしれません。
立体マスクというのは花粉症にもいいですよ。

製造についても
白元は製造を2月で休止、
日本バイリーンは休日返上・24時間・3交代連続操業から
平日のみの交代なし・8時間勤務に変更したそうです。
Yahooニュース 3月1日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100228-00000011-fsi-bus_all

津波と釣り

昨日は、昼からずっと津波のニュースを見ていました。
釣りをする人間にとって、
地震 → 津波 という発想は命を守るために欠かせません。

釣りキチ三平 という釣りマンガで有名な矢口高雄氏が
『激濤 Magnitude 7.7』という、地震後の津波を題材にしたマンガを書いていて
当時 非常に衝撃を受けました。
地震のあとの津波に襲われて命を落とした釣り人と、助かった人と、
その運命を分けたものは何だったのか、を検証し、描いたものです。
もとの原作はノンフィクション作品だったと思います。
今は講談社漫画文庫におさめられていて、入手できるようです。上下巻です。
このマンガ、釣りをする人だけでなく
小学生などに広く読んでもらえたらよいな、と思っています。
マンガなら、きっと小学生でも津波の理解が容易でしょうから。
まだ読んだことがない、という方は、ぜひ一度お読みください。

それもあって 地震と津波のニュースは
これまでも興味をもって見ていました。
(院長は矢口高雄氏のファンで、初版第一刷の著者サイン本(エッセイ集)を
2冊も持っていたりします。
ミーハーですね。)

50年前のチリ大地震と今回とで違う点として、
今回も確かに津波により海面は高くなったが
被害が少ないのは波の直撃ではないからだ、と
テレビ解説の東京大学准教授の方が言っておられました。
(もちろん地震のエネルギーも前回より小さいですが)。
多くの港では、港の沖にコンクリートの一文字波止を作り
それで波風の直撃を弱められるようにしています。
一文字波止が津波被害防止に有効に働いたのは間違いない。
日本の土木技術の勝利、と言ってよいのでしょう。

沖の一文字波止ができると、
湾内での潮の流れは一変します。
釣り人は、釣れる状況で このことを体感することになります。
昔はこのポイントでよく××が釣れたんだけど今は全然ダメ、
ということは よくあります。
まあ、被害防止のことを思えば、たいした事ではありませんがね。

釣りに行きたくなってきました。
もうちょっと暖かくなったら メバル釣りにでも行きましょうかね。

もみじ作業所のクッキー。
紙屋町地下街 アストラム本通り駅の近くに「ふれ愛プラザ」があります。
「ふれ愛プラザ」では,障害者福祉施設において製作した,
心のこもったたくさんの手作り製品を販売しています。
ここを通る時には、いつももみじ作業所のクッキーを買っています。(^O^)/^
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★新型インフルエンザ情報
目新しい情報はありません。

心に残る出会い8 方言の強かったIさん

2010年02月28日

Iさんは78歳。
近隣県の漁師町で、かまぼこ工場に勤めていました。
体調が悪くなったので、広島の娘さん一家に同居することになりました。
そして精密検査を受けたところ、肺癌、しかも相当進行していました。

抗癌剤治療をおこなわず、在宅(娘さんの家)で生活することを選択されました。
そこから当院に診療の依頼です。
最初は外来通院できていたのですが、
みるみる衰弱がすすみ、外来通院が困難となり訪問診療となってきました。

Iさんは、漁師町育ちの人によくある「無口で口べた」の人でした。
ぼそぼそっと話されるのですが、これがまた方言が強い。
ふつうの方でしたら、会話を聞き取り理解するのがむつかしかったかもしれません。
何度も聞き返す必要がある場面もありそうなくらいでした。
ところが、
私(緩和ケア医)は魚釣りが趣味で、
これまであちこちの漁師さんとも おつきあいしてきました。
こういった漁師特有の話し方、方言など ほとんど苦になりません。
Iさんの言うこと、言いたいことが、よく理解できたのです。
このためIさんに、すっかり信頼していただけたのでした。

Iさんは結局最期まで入院を希望されず、在宅のままでお亡くなりになりました。

今思うと、
きっとIさんは 大きな病院の医師や看護師さんに
同じ事を何回も聞き返されたり言い直しさせられたりしていたんだろうなあ、
というように思います。
どうして自分の言うことをわかってくれないのかなあ、と
Iさんは そう思っていたかもしれません。

趣味(釣り)が役に立ったなあ、と
ちょっとうれしく、でもちょっと複雑な気持ち、を思い出します。

写真は並木通りの一番北のロータリー。
年末の広島ドリミネーションとは、ライトが変わりましたかね。
気のせいでしょうか。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

喘息とスポーツマン

2010年02月27日 ,

咳と痰がなおらない、という患者さんが来られました。
市販のカゼ薬ではなおらない、と。
今週フルマラソンに初挑戦するのだそうで、
それまでに治したい、とのことです。
いちばんしんどいピークはすぎたようだ、ということで
とりあえずは通常の治療で大丈夫、間に合うと判断しましたが
当日しんどいようなら無理せず、そこで棄権するように説明しました。

院長は呼吸器・アレルギーの専門医であり、
これまで 一線級ランナーの喘息治療を担当したこともあります。
市役所ちかくの某地元企業に所属するランナーでした。
現在でも某駅伝チーム(昨年の全国大会優勝)の選手の治療を担当しています。
選手と相談しながら、日程にあわせ体調がベストになるように
相当に知恵を絞りながらの治療になります。

治療をする時、
市民ランナーならあまり治療薬に気を配らなくてもいいのですが、
正規の大会に出場する一線級ランナーは
ひょっとしたらオリンピックや世界選手権に出る可能性も
まったくないとはいえず、
ドーピングに十分な配慮が必要となります。

日本で一般的によく使用されている標準的治療薬が
世界的にはまったく認められておらず使用認可薬リストに掲載されていない、
ということは 非常によくあります。
珍しくありません。
うっかり国内標準の治療薬を使用すれば、ドーピングで失格です。
ヘタすれば選手生命も絶たれますし、引退後の生活も変わってきます。
知らなかった、では済まされないのです。

院長が 世界標準の治療を常に意識しながら
患者の治療をおこなうようになったのは
その一線級アスリートの治療にかかわるようになってからです。
10年以上前のことになりますね。
(喘息の場合には、ヨーロッパに本社のある製薬会社の薬だと
大丈夫なものが多いようです。
日本の会社の製品は ほぼダメと考えた方がいいです。)

喘息があっても、アイススケートの清水宏保選手(今シーズンで引退)のように
オリンピックで金メダルをとることは出来るんです。
そのかわり
しっかりとした治療担当医と組まないといけません。

一線級アスリートを目指したい人は、
早い段階から専門医に御相談ください。
あと2日で治してください、なんて言わなくてすむように、ね。

写真は診察室の患者用イス。
冬の朝はイスも冷たいので、湯たんぽで座面を暖めています。
座ったときに 「冷やっ!!」 と ならないように。
暖かくなってきたので 湯たんぽの出番ももうすぐ終わりです。
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★新型インフルエンザ情報
<インフル治療薬>強毒鳥インフルに効果 初の純国産
Yahooニュース 2月26日20時25分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100226-00000101-mai-soci
現在開発中の国産薬が、H5N1にも効果ありそうだ、というニュースです。

H5N1由来の新型インフルエンザには
これまでタミフル・リレンザしか武器がなかったのですが、
先日 注射薬が販売となっており、
この薬が出てくれば武器が合計4種類になります。

とくに国産というのがメリットです。
本当に新型H5N1が流行した場合には、
薬の輸入はストップする可能性がかなり高いためです。

新型インフルエンザ対策・行動計画は、
この新薬を柱に組み立て直すほうがよいのではないか、と思います。
(まだ安全性の情報など、何も出てきていないのですけどね)

インフル、肥満者は重症化しやすい

2010年02月26日 ,,

昨日は 春一番が吹いたそうですね。
あたたかくなりました。
土手を歩いたり走ったりしている人も増え、
服装も春らしくなってきました。
私どもは、花粉と黄砂に注意が必要な時期がはじまります。
それが終わるまで、まだ長い時間を走ったりできないんです。

昨日、日赤病院で開催された
がん診療に関わる病診連携研修会に参加してきました。

講演:Revisit to Chest Radiography
-胸部X線写真の3次元的理解-
講師:広島大学放射線診断学 粟井和夫 教授

講演内容は文字で書くのはむずかしいので省略。
(画像についての話を文字にするのは 専門家相手でも大変なのです)

粟井先生は、われわれ呼吸器内科医が昔 びまん性肺疾患の勉強会をおこなっているときに
放射線科の専門医の立場から出席しコメントしてくださっていた先生で、
非常に的確なコメントをいただけるので ずいぶん勉強になりました。
50歳前(のはず)にして母校 広島大学の教授に、今月就任されました。

教授選挙で選ばれるには、実力のほかに運も必要です。
選挙のときに60歳近い人は おそらく選ばれないでしょう。
(教室を運営し、大学に貢献するには、在任期間は10年以上は欲しいところです)
ちょうど適齢のころに教授選挙があるかどうか、というのは運なのです。
運と実力を兼ね備えた粟井先生の活躍に期待しましょう。

参考になったのは、質疑応答でした。
Q:CTは年間で何回くらいまで撮影して大丈夫なのか?
A:男性であれば通常のCTは年間5回程度なら心配ない。
女性では乳腺の放射線被曝を考慮しないといけない。
50歳以上であれば男性と同様。
それ以下であれば年間3回程度にしておいたほうがよいのではないか。
また最近は心臓CTを撮影するようになってきているが
心臓CTは乳腺への被爆線量が非常に多い。
50歳以下の女性では心臓CT撮影しないように、と米国ではされている。

放射線被曝と発ガンの問題について、
心配される方もしばしば見受けます。
一般撮影であれば、ほぼ問題はありません。
我々は自然放射線を浴びているわけですし、
放射線ゼロの世界に住んでいるわけではありません。
許容線量については研究がすすんでいるのです。
宇宙飛行士の宇宙での被爆などについての研究もされています。
許容線量というのは、宇宙医学の大きなテーマの一つでもあります。

線量の多いのはCTや透視(胃透視や注腸検査)です。
そのCTでも年間数回なら大丈夫なのです。
放射線被曝について過度の心配は無用です。
とくに年齢の高い方については。

線量の問題については、後日あらためて取り上げますね。

今週の花 ユリ、フリージア、ツバキ
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★新型インフルエンザ情報
新型インフル、こどもと肥満者は重症化しやすい。
Yahooニュース 2月25日17時30分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100225-00000703-reu-int
米疾病対策予防センター(CDC)の専門家によると、予備データでは、重症肥満者はそうでない人と比べて、入院したり死亡したりする割合が4倍と高かった。

ダイエットしましょう。
季節もよくなってきましたので、運動ですね、歩きましょう。

RCC本名正憲さんが広島ブログに登録

2010年02月25日

オリンピックでみなさんテレビに釘付けのようで
クリニックはヒマな毎日です。
とくに昨日は女子アイススケートでしたので。
メダルはとれそうなので、フリーに期待ですね。
金メダルになればいいですね。

RCCラジオ ゴゴイチ でおなじみの
本名正憲さんのブログが
広島ブログに登録されました。
本名正憲のゴゴイチ的ここだけ話
http://blog.goo.ne.jp/honna-chan/

ゴゴイチは月~金曜、12:00-15:00 RCCラジオです。
この時間帯、よく往診・訪問診療していまして
移動の車の中でラジオを聞いております。
面白い番組ですので、ぜひお聞きになってください。
ときどき緩和ケア薬剤師もメールを送ったりしています。
7パパさんなども常連ですね。
反面教師!(親馬鹿チャンリン2)
http://blog.goo.ne.jp/yuusakata/

本名さんは、広島で生の落語を聴く会にも
よく参加されていますし
番組でも毎回紹介されています。
関連するブログは以下。
女社長のひとりごと日記
http://nishinaya.exblog.jp/
広島で生で落語を聴く会のブログ
http://namarakugo.e-know.jp/
こちらも ごひいきに。

可愛い花束を頂きました☆
ヒペリカム、ガーベラ、バラ、ソリダマ。
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★新型インフルエンザ情報
プロ野球で風船解禁へ
2月24日17時1分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100224-00000126-jij-spo

新型インフルエンザの影響で(過剰反応で)
各球場とも風船が禁止となっていました。
ソフトバンクと阪神が解禁したそうです。
マツダスタジアムでも解禁してほしいものです。
誰かカープ球団に提言してもらえませんか?
(当方はカープ球団に知り合いはいませんので・・・)

誰が打ち上げたのかわからない風船を拾って
もう一度口をつけてふくらまそうとしない限り
感染症については心配ありません。
(子どもさんには、落ちた物を拾って口に入れるな、
という教育の場になります)

薬物アレルギー

2010年02月24日 ,

新型インフルエンザ情報

厚生労働省は今のところ途上国への譲渡や売却は考えていない、
解約交渉をすすめている、というニュースです。
2月24日0時51分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100224-00000001-mai-soci
うまく解約できればよいのですけれど、
海外の解約状況をみても
せいぜい3割、よくて半分というところです。
どうなりますか、注目です。

今週の花 モクレン、ツバキ
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本日のお勉強
薬物アレルギー
どのように説明して検査をおこなっているのか
アレルギーの臨床 2009年12月号
帝京大学医学部 内科・呼吸器アレルギー 山口正雄先生ほか
要点
薬物アレルギーの診療で何より重要なのは問診である。
情報に基づき被疑薬を絞り込むとともに、発症機序を推測し、それに見合った検査を立案する。
患者にメリットがない検査は行わない。
安全薬については積極的にチャレンジして安全を確認する。
検査の必要性が少ないなら、敢えて検査を行わない選択もある。

「薬物アレルギー」だ、と言われる患者さんは少なくありませんが、
それが本当にアレルギーで二度と使用ダメな薬なのかどうか
はっきりしていないケースが大半です。
他に代替え薬があれば 原因とされる薬を避けておけば問題ないのですが、
基本薬剤で代替えがむずかしい場合には困ります。
血液検査でアレルギー反応が出れば簡単なのですが、
・薬物アレルギーの検査は保険がきかず高額
・このため疑わしい薬が複数あれば、非常に非常に高額になる
・薬によっては せっかく高額な検査をしても陽性率が非常に低い薬もある
という問題があります。

そうなると
チャレンジテストといって、
実際の薬剤を服用してもらって判定しよう、
という状況になることがあります。
でも、もし本当にアレルギーの原因薬であったら、
大きなアレルギー症状をおこす可能性があり、命がけの検査になってしまいます。
チャレンジテストは基本は大学病院で、入院で実施する検査、ということになりますね。

私たちクリニックの医師は
「この薬は疑わしい、この薬は可能性は低い」
という見極めをおこなうところまでが仕事になります。

アレルギーでお困りの方は、
アレルギー専門医に御相談ください。
日本アレルギー学会ホームページに
専門医一覧が出ています。
http://www.jsaweb.jp/

平成の歩き方11 花粉症時期の服装

2010年02月23日

平成の歩き方11 花粉症時期の服装

屋外を歩くときに、花粉症患者は服装への注意が必要です。
マスクは当然必要になりますね。人によってはメガネ・ゴーグルも。

服装のポイントは、花粉を体につけないこと、です。
服の素材は、ナイロン系などツルツルしたものが良いですね。
家に帰って玄関先で服をパンパンとたたいて花粉を落とし、
花粉を家の中に持ち込まないようにするのです。
毛が立っている素材、たとえばフリース、セーター、起毛のコートやジャケット
などは花粉が落ちず家に花粉を持ち込みますので、よくありません。

同様に、この時期は帽子も必要ですね。
髪の毛に花粉をつけたまま家に持ち込まないようにするためです。

そして帰ったらすぐ洗顔ウガイ手洗いをして、
花粉をできるだけ洗い流し、室内に持ち込まないようにして下さい。
すぐに室内着に着替えるというのも効果ありますよ。

21日の月の写真。
今週日曜日21日に、JST科学技術振興機構の助成による
科学ボランティア養成講座2009 の報告書を完成させました。
そこで、息抜きに望遠鏡を出してきて、
月と火星を見ました。
月は、望遠鏡のアイピース(接眼レンズ)にデジカメをくっつけて
撮影してみました。
コンパクトデジカメ、古い安いやつですので、まあこんなものでしょうか。
ふつうのオートモードで撮影しています。
クレーターは思ったより撮れていますかね。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません

ためしてガッテン 謎の高血圧

医師向けMLにて 以下の放送があったという情報は知っていましたが、
やはり、問い合わせてくる患者さんがおられました。

2月10日(水)放映 NHK総合「ためしてガッテン」
番組URL: http://www.nhk.or.jp/gatten
★年齢や生活習慣とは無関係、突然発症する「謎の高血圧」
★謎の高血圧の病名は「原発性アルドステロン症」

ええと、ですね。
普通の内科医であれば、こんな病気、当然頭の中に入っていますよ。
けっして 「謎の高血圧」 でも何でもありません。

高血圧の9割は、塩分摂りすぎなどによるものです。
生活習慣の指導が大切な高血圧、と言ってもいいですね。
でも、残り1割は、
何か原因のある高血圧(二次性高血圧といいます)なのです。
とくに若い人の高血圧では、二次性を強く疑います。

二次性高血圧のなかには、腎性高血圧、腎血管性高血圧などがあり、
アルドステロン症というのも珍しくはありません。

ですから、内科医は高血圧の初診時と血圧コントロールが悪化してきた時には、
定期検査よりも詳しく精密検査をおこない、アルドステロン症も当然チェックしています。
(内科以外の医師であれば、どうでしょうか、ちょっと何とも言えません。)

信頼するに足るかかりつけ医かどうかの見分け方は
・高血圧の初診時にちゃんと聴診器を胸に当てましたか?
・初診時にはお腹を触診しましたか?
・さらにお腹にも聴診器を当てましたか?

腎血管性高血圧は、手術の対象となりうる高血圧で、
聴診で判明することがあります。
腹部で血管性の雑音(bruit と呼びます)が聞こえることがあるのです。

血圧の初診時にお腹に聴診器を当てる医師であれば、
アルドステロン症も当然頭の中にありますので
信頼してよいと思いますよ。
謎の高血圧 というのは マスコミの常套手段、誇大表現です。
不安をあおる番組というのは どうなんでしょうねえ。

胡町さかい。シメは貝汁と御飯だ、と常連の先輩に教わりました。
昔はもっと貝汁椀が大きかった、とのこと。
写真は貝を半分くらい食べてから気がついて撮影したものです。
大きな貝がたくさん入っています。
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★新型インフルエンザH1N1情報
大きな動きはありません。

オピオイドと痒みの治療薬

★新型インフルエンザ情報
輸入ワクチン接種始まる=卵アレルギーの人たち
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100219-00000117-jij-soci
輸入ワクチンなぞ、今さら使う人がいるのだろうか、と
疑問に思っていたわけですが、
重症卵アレルギーの人へのワクチンとして接種されたそうです。

確かに、製造方法が従来と違いますので、
これまで卵アレルギーでワクチンをあきらめていた人にとっては
輸入ワクチンは朗報かもしれません。
なるほど、なるほど。

輸入ワクチンは大瓶ですので、
人数がそろわないと仕入れる医療機関にとっては赤字です。
開封後は6時間以内に使用しないといけないのです。
(余ったら廃棄処分するしかありません)
このあたりが問題になりますね。

胡町さかい の くじらベーコン。
からししょうゆで食べると、とても深い味わいになります。
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オピオイドと痒みの治療薬
癌緩和ケアでは、オピオイドを上手に使いこなすことが必要です。
そのための知識と経験を積まねばなりません。
これが、何とアレルギー診療に活かされていく、というお話です。

本日のお勉強
オピオイドが関与する痒み
アレルギーの臨床 2009年9月号
ちとふな皮膚科クリニック 江畑 俊哉先生
要点
オピオイドが痒みに関与することは昔から知られていた。
近年の研究で、μオピオイド受容体の活性化は痒みを誘発し、
κオピオイド受容体の活性化は痒みを抑制することがわかってきた。
本年からκ受容体に選択的に作動する薬が、慢性腎不全の痒みに使用開始されている。
現在はアトピー性皮膚炎の痒みに対し臨床試験がおこなわれている。

緩和ケアの領域では、オピオイド(モルヒネなど)を効果的に使用します。
このため、オピオイドの理論や使用方法などを習得する必要があります。
これとは別に、アトピー性皮膚炎というとアレルギー疾患の代表であり、
アレルギーについての学習と経験が必要です。

よもや、この2つの領域(癌緩和ケアとアレルギー)が
同じオピオイド受容体を介して共通に語られる時代がくるとは
思ってもみませんでした。
アレルギーの知識が緩和ケアに活かせる、
緩和ケアの知識がアレルギー(アトピー性皮膚炎など)に活かせる、
という構図になっています。

いやー、面白いものですね。
アレルギー疾患などによる「痒み」を緩和するのも
緩和ケア医の得意な仕事、おまかせください、と言える日も近そうです。

082-241-6836(代表)

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平日午後(診療時間内14:30~18:00)