本年度は診療報酬・介護報酬の同時改定の年です。
4月から医療費、介護保険利用料が変更になります。
医療費がどういうふうに変わるのか、
方針の概略をお知らせいたします。
基本的には医療費少し値上げとなる場合が多いです。
本日は長くなります、スミマセン。
お時間のある時にお読みください。
ポワブリエール 桜クロワッサン
緩和ケア薬剤師はおいしかったそうです。
まずは、話の土台になる前提条件を御理解ください。
もうすぐ団塊の世代が高齢者の仲間入りをしてきます。
2025年には75歳になってくるのです。
それぞれ病気も出てくるでしょうし、
認知症の高齢者の数も急増してきます。
年間の死亡者数も増加がはじまり、
ピークでは年間170万人が死亡すると推定されています。
現在の年間死亡者は約100万人ですので
およそ1.7倍ということになります。
でも、
病院の数や病院ベッド数は増えません。
特別養護老人ホームなど入居施設の数も、入所者定員も
不足することは明白です。
70万人増える死亡者を、どうするのか?
病院は今でも過酷な勤務状況にあります。
これだけ増加する病人や死亡者を
すべて病院で引き受けることは不可能です。
施設での看取りも推進されていますが、
現在、施設での看取り数は全死亡数の数%どまりです。
在宅死亡は死亡数全体の12%程度です。
85%程度の人が病院で亡くなっているのです。
どこで死ぬのか、
今のままでは
死に場所が見つからない「死亡場所難民」が発生すると危惧される状況なのです。
ここまでが前提となる状況理解です。
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対策として
病院に患者が押し寄せない仕組み、
病院以外で看取りが増えていく仕組みを
整えていくことがどうしても必要です。
2025年目標に段階的にすすめていく、というのが
今回の診療報酬改定で明確にされています。
そこで
いくつかの柱のうち
・急性期病院の負担軽減
・在宅医療の推進
(他にもありますが2つのみ紹介)
に協力する医療機関には報酬を増やしましょう、
というのが
基本的な考え方です。
具体的には、
患者・家族からの夜間の電話問い合わせに対応できる医療機関は
診療報酬が増えます。
患者側からいうと負担金額が増える、ということになります。
逆に、対応していない医療機関では報酬が減となります。
少し前から、
「どこの医療機関にかかっても支払う医療費は同じ」、
では なくなっています。
地域医療に貢献する医療機関には高い点数がつきますし、
地域の基幹病院と連携する医療機関にも点数が増える制度に
なっています。
これがだんだん顕著になっていく、ということです。
また、専門性にも配慮がされています。
たとえば癌末期の患者に医療用麻薬を処方する場合。
処方そのものは麻薬免許を持っている医師なら誰でもできます。
しかし所定の緩和ケア研修を受講修了した医師が処方した場合には
これに高い点数がつきます。
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機能強化型の在宅療養支援診療所
ながながと述べてきて、
おつきあいいただき、ありがとうございます。
最後に1点。
24時間365日対応する、という前提の
在宅療養支援診療所という制度があります。
いつでも対応するかわりに、夜間往診などに高い点数が付加されます。
ところが
在宅療養支援診療所でも看取りをまったくおこなっていない
というところが約半数ありました。
最期は病院に送ってしまうわけですね。
そこで、
在宅看取りの実績と、体制を完備したところは
機能強化型の在宅療養支援診療所として認定し
在宅療養支援診療所の中での差別化が導入されました。
当院は
もちろん看取りもおこなっておりますし、
緊急・夜間・休日の往診にも対応しております。
でも
1人医師の施設で24時間365日は実際には難しかろう、ということで
3人以上の常勤医在籍、
または3か所以上の連携でよい、
ということで24時間体制を担保、という条件がつきました。
そこで当院は
在宅緩和ケア、在宅看取りの志を同じくする医療機関と
合計4か所で連携して
機能強化型在宅療養支援診療所となることにいたしました。
この連携のおもな受け持ち範囲は中区南区を想定しています。
広島市の場合、
東区は医師会主導で連携がすでに開始となっていますし、
西区には大型の(複数医師の)在宅専門クリニックがあるので、
東区西区はちょっと基本となる地域インフラが異なるのです。
今後は、我々のグループが
在宅診療の実践はもちろんですが
市民向けの普及啓発活動や医療介護従事者研修といった役割もになうことに
なると考えています。
実際に昨年度、何度もおこなってきていますが
もっと幅広く対応が求められるだろうということです。
そういうわけで
当院の再診や往診は、
これまでより費用が少し高くなる可能性がありますが
24時間365日対応しておりますので 御了承ください。
(対応は再診患者のみです。
まったくの初診患者には対応しておりません。
そういう制度ではありませんので御了承ください。)