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原発事故とヨウ素剤の緊急内服

2011年03月13日

福島第一原発1号機は、結局メルトダウンでした。
実験炉はのぞくと、スリーマイル、チェルノブイリに次ぐ事故となります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110313-00000094-san-soci

3号機も冷却できなくなっているようで
まだまだ危険は去っていません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110313-00000110-yom-soci

内部圧力を下げるため、放射線物質を含む内部の空気を放出します。
つまり、放射線物質が放出されます。
風向きによって、住民の上に降り注ぐことになります。
このなかで放射性ヨウ素が含まれていた場合、
体に取り込まれると甲状腺に集積し
甲状腺癌の発生率が高くなります。
これを予防するため、ヨウ素剤の内服がおこなわれます。

枝野長官の発表のなかで
セシウムやヨウ素を確認・・・
ということが発表され、
さらに、住民の被ばくを確認という発表がおこなわれたとき
我が家で出た言葉は
「枝野長官、ヨウ素を飲め! と言え!! 早く!!!」
でした。

早く、という理由を以下に引用します。
***
緊急事故対策としてのヨウ素剤による内部被曝阻止効果

服用が12時間前=  90%
服用が直前   =  97%
服用が1時間後 =  85%
服用が3時間後 =  50%
服用が6時間後 = 阻止できない
***

つまり
原発事故の一報を聞いたら、
とくにヨウ素の放出の情報を聞いたら、
できるだけ早くヨウ素剤を服用すべきです。
事故の詳細を確認して・・・、なんてやっていると
阻止効果はどんどん低下してしまいます。
予防内服が空振りになってもいいのです。
ヨウ素剤など、そんなに頻繁に服用するものではありませんので。
(そんなに放射線事故が多発してもらっては困ります。)
副作用についても このさい気にしないでいいです。
それより内部被曝のほうがよほど困りますから。

昨年6月頃までは茨城県薬剤師会ホームページに資料がありました。
私の専門学校の授業では、そのページを印刷・配布し教えました。
現在は検索しても出てきません。
なぜでしょうかね?
どなたかが転載してくださっているので、そのページをリンクします。
http://www.geocities.co.jp/wallstreet/1795/datugenpatu/991226yousozai.html

なお、
ヨウ素剤を予防服用するのは若い人が対象です。
40歳以上についてはヨウ素剤の内服をする必要はない、と
公式には書かれています。
年齢が高くなると被爆しても甲状腺癌のリスクがあまり上がらないため、
および副作用の率が高くなるため、とされています。
また、
2日目の服用が必要となる状況があれば、
そんなこと(服用)を考えるより避難せよ、ということになっています。
緊急被ばく医療研修のホームページ
http://www.remnet.jp/kakudai/06/keylec.html

原発の立地する地域には、
事故にそなえて住民の数だけヨード製剤が配置・保管されています。
でも、電力会社は、原発は安全で、事故はない、と言うのですよ。

そこまでして原発を誘致する必要性を
感じられますでしょうか?

枝野長官は
被ばくした人がお年寄りばかりなのを知っていて
ヨウ素製剤のことは急いで言わなかったのでしょうかね・・・。
だとしたら、ものすごい卓見です。

そごう本館の 波奈。海鮮サラダ
ヨウ素剤がなければ コンブを摂取すれば少しはヨウ素がとれます。
とろろこんぶが子どもにも食べやすいですかね。
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★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

原発は危険だ

2011年03月12日

今回の大地震、被害が少しでも軽いことを願うばかりです。

地震の被害は
直接被害(建物の倒壊、落下物などによる被害)
津波
火災
そして人災
という順序になります。
瀬戸内は津波被害はあまり心配ないのですが。

さて、
今回の被害の中で我が家が一番驚き、恐れたもの。
それは地震による原発被害が現実の物となってきたことです。

福島第一原発では冷却水の水位が低下、放射線漏れを確認。
避難範囲10kmとなっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110312-00000153-yom-soci

福島第二原発では冷却水の温度が100℃を超え
冷却機能を喪失してしまっているそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110312-00000165-yom-soci

いずれも放射能物質の放出、拡散につながり、
その次にはメルトダウンに向かいます。

電力会社による原発の説明にはウソがたくさんあります。
・島根原発、上関原発は断層の上に位置しています。
地震があれば直接の被害が生じる場所です。
・原発は地球温暖化につながる二酸化炭素を出さずクリーン、
というのもウソです。
発電用タービンからの水蒸気漏れを防ぐために、
運転時には同時に重油タービンを回しておく仕組みになっています。
つまり原発を運転すれば必ず重油を燃やし二酸化炭素ガスは出ます。
(最新鋭の1カ所だけ電気タービンのようですが)
・原発では放射能による労災はない、と言ってきましたが
いまでは多くの労災事故が認定されています。

原発で時々火災が起こりますが、
重油など燃える物は原発施設内にあるのですね。

なぜ放射線漏れなど、原発で事故が続発しているのか
知り合いの原発関係者に聞いてみたことがあります。
設計は非常に繊細に、すばらしい設計がおこなわれているのだが
実際の施工は孫請け業者。
設計図どおりに施工ができていないことがしばしばある、
仕方がないのだ、
(イタイ所だから聞かないでくれよ・・・)
という話でした。

それにしても
冷却水を動かすための予備電源システムが
こうも簡単に止まってしまう、ということに驚きました。
冷却というのは原発の安全を確保する基本ですのに。
いったい何重のバックアップシステムが確保されているのでしょうか。

信じられないことです。

上関原発、こんなに市街地に近く、温排水は外海ではなく瀬戸内海へ放出。
しかも断層の上に立地しています。
こんな危険な原発は他にありません。
絶対に阻止しましょう!

そごう本館の 波奈
かにの天ぷら。
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がん医療のネットワーク

2011年03月11日

医療は、一人だけではできません。
ひとつの病院だけでもできません。
ネットワークが必要なんです。
役割分担、と言い換えてもいいかもしれません。

がん診療のネットワークの整備がすすんできています。
一部のがんでは、地域連携パス と呼ばれる
診療連携プログラムが動き始めています。
本日のお勉強は、地域連携パスについて。

そごう本館の 波奈。毛がに。
この時期だけのメニューのようです。
P1140497.JPG
★インフルエンザ情報
今週になりB型激減、A型が再度増えています。
たまたまなのか、A型流行がぶりかえすのか。
今年の流行は例年とはずいぶん違っていて、予測ができません・・・。

本日のお勉強
がん医療の連携と地域連携クリニカルパスの利用
座談会
広島医学 2011年1月号
広島赤十字・原爆病院 有田健一 先生ほか
要点
乳癌、肺癌の医療ネットワークに参加している施設の座談会をおこなった。
乳癌では、内分泌療法以降のパスは作成され運用が開始されている。
肺癌では、IA期などについて準備中である。
パスを用いた医療連携とそこでおこなわれる医療こそが安心できる医療なのだということを患者が理解し納得できることが大切である。
かかりつけ連携先(診療所など)が一般医の場合と専門医の場合とで、患者との関係が異なる可能性があるので、細かい配慮は必要である。
がん医療の均てん化、医療連携ネットワーク、地域連携クリニカルパスなど現在おこなわれているがん医療全般にわたる啓発と広報に力を注がなければならない。

学術雑誌にも座談会が掲載されることはありますが、
出席者が4-5名程度のことが多いです。
今回は非常に多くの出席者(19名)による座談会で
原稿に落とすのが大変だったろうと思います。

大病院は、患者が集中しすぎて困っています。
がんの手術後の患者であっても、CTなどの精密検査は
年間数回しか ふつうは必要ありません。
定期的な診察と血液検査だけならば、一般のクリニックでも十分可能です。
血液検査の項目、重点的にみる診察項目さえ共有されていればよいのです。
また、
がん患者であってもカゼひいたり下痢したりすることもあります。
血圧が高かったり、血糖が高かったりする人もあります。
そういう時に、なにもかも大病院を受診する必要はなく
近所のかかりつけ医でみてもらえばいいのです。

そういうわけで
最初の治療(手術や抗がん剤など)、および精密検査は大病院でおこない、
そのスケジュールを決めておく。
たとえば ○月○日にCT、×月にはMRI、というように。
それ以外のふだんの受診はかかりつけ医でおこなえば
診療の質も保たれるし、外来で長く待つこともない。
大病院の医師も 長い長い外来勤務時間から解放され
入院患者や手術患者に全力を挙げて取り組めるようになります。
治療方針などについて、じっくり時間をかけて説明することも出来るようになります。
いいことづくめなんですね。

私は大病院でないと不安だ、
という人がいれば、このシステムは効率的に動きません。
大病院と縁が切れるわけではない、
スケジュールに沿って精密検査をおこなうので診療のレベルが落ちることはない、
ということを繰り返し広報して理解していただくことが必要なのです。

でも
効果的な広報が出来ている、とは言えませんね。
どうやって取り組んでいくか、です。

西飛行場廃止について

小児への一部のワクチン接種が一時中止となっています。
詳しく知りたい方は以下を。
厚生労働省ホームページQ&A
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r98520000013zrz-img/2r985200000149fp.pdf
複数ワクチンの同時接種に問題があるとは現時点では考えられておりません。
日本小児科学会は同時接種を推奨しておりました。
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_1101182.pdf

さて、
市議会で、広島西飛行場の市営化が否決され
廃港になることが ほぼ確定となりました。
中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201103100081.html

広島の経済のためには広島西飛行場から東京便があれば、
というのが 多くの経済人の願いだと思います。
ですが、
空港の地元で育った人間としては
ようやく廃港か、長かったな、という感じをしています。

私が育ったのは南観音です。
飛行機の通る真下に小学校(南観音小学校)がありました。
飛行機が通るたびに大きな騒音がして、会話や授業にはなりません。
騒音がおさまるまで、みんなでじっと待つしかありませんでした。

騒音を軽減するには、窓ガラスを2重にすること、が必要です。
窓を開け閉めできませんので、冷暖房完備が必要となります。
そこで南観音小学校は、2重窓ガラス、冷暖房完備、
最先端設備のピッカピカの新しい小学校になりました。
それでもジェットが飛べば相当うるさかったですし、
授業に集中できる状況とは言えませんでした。

もちろん、民家も同じ事で
防音工事、テレビ難視聴対策などが必要でした。

そうしたなかで空港が移転と決まり
広島空港は廃止にする、と市が地元に約束をしたのです。
ところが、
いつまでたっても市の約束は守られず、空港は存続してきました。
市は約束を守れ、と地元民はずっと思ってきたのです。

経済界の人々には申し訳ありませんが
ようやく何十年か遅れで市の約束が守られる、ということなのです。
空港の移転を認めた時点で、こうなることはわかっていたはずなのです。

今さら空港の復活や存続を求めることはやめましょう。
広大な空き地ができます。
ヘリポート機能は西飛行場の南半分に集約し、
西飛行場の北半分を使用するだけで
FIFA基準に合致するサッカー専用スタジアムだって楽々できますよ。
ジョギングコース、サイクリングコースとして整備するのもいいですね。
国際規模のオペラハウスやコンサートツアーのやってくるドームなんていうのもいいな。
跡地の活用方法を考えていきましょう。

そごう本館の 波奈。茶碗蒸し
1歳児がぺろりと平らげます。
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★インフルエンザ情報
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今年は世界化学年

2011年03月9日

今年は世界化学年だそうです。
http://www.iyc2011.jp/

そういうわけで、ということでもありませんが、
先週日曜日は 広島市こども文化科学館にて
科学ボランティア研修会を開催しました。
今回はイソジンを使った化学マジックについて
化学的、物理的、生物学的に、と多面的にまとめて学び
体験もおこないました。

科学の楽しさを子ども達に伝える名人として
サイエンスレンジャー という制度がありました。
(現在は新規募集はしていません。)

広島県内在住のサイエンスレンジャーのうち、
まだお目にかかれていなかったY先生にもお会いできました。

子供会などで実験教室、科学おはなし会、などを企画したい
という場合には
JST科学技術振興機構 の 理科大好きボランティア に
登録された講師の方に相談する、という方法があります。
広島市であれば、
広島市科学技術市民カウンセラー に相談する、という方法もあります。

どうぞお気軽に御相談ください。

そごう本館の 波奈
いいだこの煮付け。
いいだこにしては大きめですが、とてもやわらかく煮上がっています。
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子宮頸がん予防ワクチン 高1の救済決定

2011年03月8日

子宮頸がん予防ワクチン、問屋レベルで欠品、出荷停止になっています。
そこで、昨日、
新規希望者への接種は見合わせるよう、国から通達が出ました。

問題になるのは
「3月31日までに少なくとも1回接種していなければ
助成の対象にならない(無料にならない)」、とされていた
高校1年生相当の方の救済措置です。

今回の国の通達では
高校1年生相当については、4月以降の接種についても助成の対象にする、
と明記されました。
一安心ですね。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou/pdf/110307-1.pdf

というわけで
国から通達が出ましたので、当院での新規接種はいったん中止です。
どうぞ御了承ください。
再開が決まりましたら、また当ブログにアップいたします。
出荷の再開は7月頃の見込みだそうです。

そごう本館の 波奈
わに 刺身。
珍しい!と思って、すぐオーダーしてしまいました。
そうオイシイものでもありません。
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★インフルエンザ情報
3月7日付けの広島市内の学級閉鎖は15校。
まだまだ多いですね。
5-9歳の患者数は、今週が今シーズン最多となっています。

狂犬病が死因2位の隣国

2011年03月7日

ちょっとびっくり、の記事。
中国 広東省なんですが、
2010年に死因となった感染症の1位はエイズ、2位が狂犬病、
以下、結核、C型肝炎、B型肝炎だそうです。
サーチナ 2月20日(日)10時14分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110220-00000004-scn-cn

死因1位がエイズ、というのもオドロキです。
いつの間に、そんな状況になったのだろう? と思ってしまいます。
2位が狂犬病、というのは もっと驚きました。
海外に出たら犬猫はもちろんですが、
猿やコウモリなどにかまれないよう充分な用心が必要です。
かわいい~とか言って動物に不用意に手を出さないほうがいいでしょう。

狂犬病にかかると、全員死亡する、と考えてよいです。
広東省では301人中300人が死亡しているそうですよ。
(広東省の総人口が知りたいところです)。

エイズについては
母子保健施設などで無料検診がはじまるそうです。
このままでは、エイズ対策で日本は中国に遅れをとりそうです。

甥が就職して、すでに働きはじめています。
で、買わないといけないものがある、というので来ていました。
じゃ、晩飯でも、ということで出かけました。
そごう本館9階レストラン街の 波奈。
つきだしの南蛮漬け
(わかさぎと思うけど、聞き忘れました。)
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★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

中電病院の交流会

2011年03月6日

昨夜は、中電病院の連携医交流会に出席しました。

最初は勉強会です。
中電病院の現在の患者紹介率・逆紹介率が どちらも約60%。
これは、とてもすごいことです。
地域の患者・医療機関に信頼されないと、こんなに高い紹介率にはなりません。
また、電子カルテの入れ替えをおこなうそうで、
軌道にのれば地域医療機関への電子カルテの開放も考慮するそうでした。

電子カルテは、インターネットに接続すれば
どこにいても内容を参照することが可能です。
診療所にいて、紹介した患者さんの血液検査や画像検査が確認できる
ということが可能となります。
つまり
患者さんは、結果を聞くためだけに病院に再度行かなくてもよくなり、
かかりつけ医のところに行けば全部わかる。

電子カルテ開放の全国的な先進の病院は亀田総合病院ですが
(亀田方式では患者さんが電子カルテにアクセスできます)、
広島県でもJA広島総合病院はすでに実施中、
広島日赤病院は一部医療機関を対象として試行中、
広島記念病院でも近日試行開始の予定のようです。

このほかの話題では、
中電病院は産婦人科が充実しており
昨年のお産の件数が 755。
これは過去最高だそうです。
やはり地元の方に信頼されていないと、こういう数字にはなりません。
里帰り出産にも対応しているそうですので
御希望の方は相談してみられたらよいでしょう。

後半は懇親会でした。
どういう専門分野の医師がおり、
いったいどういう人物なのか、
というのは 直接顔を合わせて話をしてみないと
なかなかよくわからないものです。
紹介状を書こう、紹介の電話をしよう、という時に
お互い顔を知っている、話をしたことがある、というのは
紹介する側にとっても受け入れる側にとっても
安心につながります。

紹介する時に、患者さんや御家族に対して
「あの先生は○○が専門で、
怖そうな顔に見えるけど、すっごくやさしい先生だから大丈夫ですよ」
なんて説明できれば
安心して病院を受診できますよね。

「顔の見える連携」、という表現をしますが、
最後はやっぱり人と人のつながりなんですね。

近所のスーパーで、
ひなあられ ではなく ドーナツを買いました。
ひなまつりバージョンの商品がたくさん出ていましたね。
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★インフルエンザ情報
最新のインフルエンザ流行マップでは
広島県内の7保健所管内が警報レベルです。
7 というのが4週連続しています。
けして流行が下火、というわけではありません。
うがい手洗いマスク咳エチケット、まだまだよろしくお願いします。
https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/2010_2011/2011_08/34_hiroshima.html

佐藤寿人、開幕戦欠場インフルエンザで

2011年03月5日

インフルエンザは、鍛え上げているスポーツマンでもかかります。
でも、
よりによってサンフレの
よりによって開幕戦欠場とは。

他の選手にがんばってもらい勝利でスタートしたいものです。

【広島】佐藤インフルで…開幕戦アウト
nikkansports.com  [2011年3月4日18時51分]
http://www.nikkansports.com/soccer/news/f-sc-tp0-20110304-744380.html

さて、
子宮頸がん予防ワクチン サーバリックスの話題です。
中学1年生から高校1年生相当の女子に無料接種がおこなわれています。
しかし、高校1年相当の方については
3月31日までに 少なくとも1回の接種を受けていれば無料となりますが
それを逃せば無料にはならず、全額自己負担となります。

ところが、ところが。
輸入と認可のタイミングの関係で
子宮頸がん予防ワクチンが欠品となりました。
検査を受けて合格したものしか出荷できないのです。
昨日、製造メーカーの担当者が、接種医療機関の全部に
経緯の説明とおわびに回っています。

次のワクチンが出荷されるまで、新規患者には接種を開始しないでほしい、
ということになっています。
これが、いつのことになるのか、わからないそうです。
半年くらいかかるかも、とのこと。
(別な情報では、7月頃では、とのことです)。
このワクチンは
初回、1ヶ月後、6ヶ月後の3回の接種をおこないます。
1回だけ接種して2回目が品切れでは困る、というワクチンなのです。
(3回目は多少予定よりずれても大きな問題はありません)

当院で予約された方、1回目や2回目を接種された方は心配ありません。
予約が入った時点で、3本単位で発注をしていますので
当院では全員について責任をもって3回目(最終回)まで
スケジュールどおり接種できます。
どうか御安心ください。

しかし、医療機関によっては、そういう対応でない所もあるようです。
昨日だけで何人かの保護者の方から電話問い合わせがありました。
「予約していた病院から断りの電話があった、そちらで受けられますか?」

中学生については、無料で受けられる期間は まだ1年以上ありますので
あわてることはありません。
問題は、現時点で高校1年相当の方です。
3月31日までに受けられない人たちに対して
救済措置がおこなわれるのかどうか、まだわかりません。
国会および市議会での議決が必要になるのだと思われます。

当院には、ほんの少量だけですが、予備があります。
上記のような可能性がありますので、
新規予約は原則として受け入れ中止、
もし高校1年生への救済措置という話が出ないようであれば
3月末に高校1年生へ提供していきたいと思います。
とくに
「1回目は接種したのだが2回目が接種できない」、
という状況は 絶対に避ける必要があります。
その人たちへの接種を最優先で実施していく必要があります。
ですから、中学生への新規予約問い合わせ電話は当院でも今回お断りさせていただきました。

この話、今後どうなるのか、
高校1年生相当の方はしばらく注目しておいてください。

ひなまつり、自宅では何も準備する余裕がなかったので
家族で宇品の おんまく寿司 に行きました。
小さい子連れのファミリーが、たくさんいましたよ。
季節のものとしては、 桜モナカ。アイスモナカでおいしいです。
P1140457.JPG

救急車を受け入れてくれる病院

2011年03月4日 ,

昨日は中区、西区でも雪が舞いました。
今朝は屋根の上に霜が降りています。
寒いです。

さて、
最近、私の身近な人が交通事故にあいました。
幸いに軽症、1泊入院ですんで、現在も通院中ですけれども。
救急車が来てから病院に運ばれるまで1時間かかったそうです。

本日のお勉強は 救急車を受け入れる病院

写真はサイオトに行く途中の 赤い橋。
王泊の水面が全面凍っています。見事です。
P1140436.JPG
★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

本日のお勉強
救急車を受け入れてくれる病院

事故や急病のとき、
救急車で運ばないといけない場合があります。
でも、受け入れ先の病院が 「いいですよ、来て下さい」
と言わなければ、救急車はその病院に行けません。
勝手に行くわけにいかないのです。

そりゃ、そうですよね。
もし仮に、今すでに救急車が2台来て現場が手一杯であれば、
3台目の救急車依頼はお断りするしかないでしょうし、
話を聞くだけで「入院が必要だな」と思われる状況であれば
入院ベッドの空きがなければ引き受けできません。
(これに関しては、今では広島市の場合だと、
3カ所の救急受け入れ先に引き受け困難と回答されたなら、
広島市民病院が救急車をいったん引き受けて診察し、
入院が必要と判断されれば市民病院が入院先の病院を探す、
という方式になっています。
何十カ所も受け入れ困難、という状況がおこらない「はず」なのです。
でも、実際には救急隊が1時間近く受け入れ病院を探す状況は
私の身近でも発生していますけれども。)

そういうわけで
大きな病院だから救急車を引き受けてもらえるだろう、
とは簡単にはいかないのです。

救急車による入院患者数の全国実績が発表されています。
(DPC病院の統計。大病院の統計と考えていいです)。
2009年後半の6ヶ月間の統計ですが、
件数1位は福岡県 聖マリア病院で1818件(ベッド数1354床)
2位も福岡県で 飯塚病院 1734件(1116床)
福岡県はすごいですね。
このクラスの病院は、毎日、救急車で10人程度の入院がある、という計算になります。

中国地方ではTOP20に岡山県 倉敷中央病院が5位に顔を出しています。
1567件(1151床)。
20位までに広島県は出てきません。

救急車を受け入れるためには
集中治療室のベッドが空いていなければいけません。
ということは
集中治療室の患者が改善してくれば、早く一般病棟に移さなければいけません。
一般病棟に移すためには、一般病床の空きがなければいけません。

一般病床に空きを作る、ということは
1:入院期間を非常に短縮し、早く退院してもらう。
2:後方病院・リハビリ病院と連携し、早く転院してもらう。
の2つしか方法がありません。

この2つとも、簡単に出来ることではありません。
救急車を多く引き受ける病院は、それだけの努力をしている、ということです。

「だいぶ良くなってきたから、そろそろ退院しましょう」、
と言われた時に
「いや、まだ心配だからもう少し入院させてください」
と答えたくなりますが、
でも、入院ベッドを空けないと、次の救急車が受け入れできません。
また、
「急性期治療は終了ですが、リハビリが必要ですので転院しましょう」、
と言われることもあります。
やはりベッドを空けないと、次の人の入院ができません。

空きベッドがないと、救急車を断ることになるのです。
そろそろ退院を、とか、転院を、と言われたら
できるだけわがまま言わずに退院・転院をお願いします。

もうひとつの解決策は、急性期病院を大きくすることです。
「1つだけでいいので空きベッドがないか?」
という時に、
ベッド数の多い巨大病院のほうが空きを見つけやすいのです。
つまり、ベッド数の大きい病院のほうが救急車を受け入れられる可能性が高くなる。
実際に統計を見ても、
救急入院の上位には1000床以上の巨大病院がずらりと並んでいます。
救急医や看護師の24時間勤務ローテーションを組むのも
従業員数の多い病院のほうがやりやすい。
人数の少ない病院では、救急をやるのは無理があるのです。
広島でも1000床クラスの病院にすべきでしょう。
(広島市民病院や県病院で700床ちょっとです。)
中小病院は広島市民病院や県病院に統廃合するのが良策だと思われます。
救急医療に役立っていない中小規模の公立病院・公的病院が
広島市内に数カ所あるのです。
1000床規模の病院が1つでもあれば、広島の救急事情はかなり改善しますよ。

今回の文献:救急統計2009 済生会熊本病院発行

082-241-6836(代表)

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平日午後(診療時間内14:30~18:00)