黄砂、中国大陸のほうに出始めていますね。
まだ朝鮮半島あたりで消失する程度の量のようですが
21日以降には また黄砂の量が増えるようです。
外出には細心の注意が必要な季節となってきました。
当ブログの右上で 気象庁黄砂情報にリンクしていますので
御利用ください。
さて、中国新聞に出ていた記事です。
被災地応援の風船、園児放つ
東日本大震災の被災地に思いをはせ、岩国川下幼稚園の園児たちが15日、岩国市楠町の同園屋上から花の種とメッセージを付けた風船を飛ばした。
中国新聞 2012年3月17日
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201203170005.html
写真をみるかぎり、
ゴム風船にヘリウムガスを入れて飛ばしているものでしょう。
まだこんなことをやっている所があるのか、と
ちょっとがっかりしました。
ゴム風船は環境問題になる可能性があるのです。
問題というのは、生物について、です。
飛ばした風船が陸地に落ち人の手に渡ればいいのですが
多くは海や山林に落ちていきます。
海に落ちた風船は、エサだと思って魚や亀など、
あるいは鳥などが食べてしまうことがあります。
ゴムやビニールなどはクラゲと間違えてしまうようです。
赤やオレンジのビニールは、エビと間違えて鯛が食いつくのは
釣り人ならご存知のとおり(タイラバという釣りですね。)
人工物は消化吸収されませんので
腹の中で食物通過障害の原因となり
誤食した生物は衰弱して死亡していきます。
また、海や山に落ちた人工物は、
微生物による分解もほとんど受けないため
そこに長期間 存在し続けることになります。
量は少ないとはいえ、環境にとってはやっかいなゴミとなるのです。
この問題を解決するために
分解される素材の風船を飛ばす、という方法に変えている所があります。
たとえば
紙や生分解素材で作ったハトの形をした風船を飛ばす、という方法です。
これだと海や山に落下したとしても
しばらくすれば分解され自然に帰っていきます。
環境に対して永続的な悪影響は残しません。
オリンピックなどで飛ばしているのも、
こうした風船ですね。
広島アジア大会でも、ゴム風船は使用されていません。
Wikipedia 風船 から関連部分を一部引用します
***
・環境風船とは、自然環境に放出した場合の影響を配慮して作られた紙や生分解性素材を原料とする風船の総称のこと。
1990年(平成2年)に日本で起きたゴム風船による風船飛ばしの自粛運動の影響から環境に配慮した風船飛ばし用の紙風船が誕生し、現在では紙に加えて生分解ポリオレフィン[16]やオブラートを使った環境風船も開発され市販されている。
・環境風船はリレハンメルオリンピックと長野オリンピック、広島でおこなわれた1994年アジア競技大会では、鳩、折鶴、大会エンブレムなどの形の紙、生分解ポリオレフィン風船が放天された。
・自然環境に大量に放出する行為は海鳥や海棲哺乳類などの野生生物の生命をも脅かすおそれがあるため、欧米ではビニール袋の投棄禁止とともに商業的な大量の風船飛ばしの行為に反対する生物学者、生物・鳥獣保護団体、環境保護団体、環境教育機関が少なくない。
またアメリカ[33]、シンガポール、オーストラリアなどでは条例により商業目的の風船飛ばしの1日もしくは行為1回ごとの数量規制および超えた場合の罰金制度が行われている地域も存在する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E8%88%B9
***引用終わり
風船を飛ばすのは単純に面白いし、
子どもたちは喜ぶでしょう。
値段も高いものではありません。
幼稚園の保護者が少しずつお金を出し合えば
風船飛ばしというのは実施可能な価格です。
でも、
どうせやるなら
環境問題を考えさせる方法で
取り組むほうがいいのではないでしょうか?
この保護者の方たちは、ゴム風船飛ばしはやめよう、という
社会運動があったことは御存知ないのでしょうか?
自分たちが放出したゴム風船によって
魚や鳥が死んでしまうかもしれない、
ということを知っても
それでもまだゴム風船を飛ばしたい、と思う子は
一人もいないと思うのですよ。
東北とくに福島の人たちは
環境問題(=この場合は放射能汚染問題=)で困っているわけです。
被災地支援に、といいながら
環境に負荷をかけ生物に悪影響を与える可能性のある活動をする、
というのは
やはり間違った活動だと思います。
環境風船(紙風船など)を飛ばし、
なぜゴム風船でなく環境風船を使用するのか、を
子どもたちに教え、考えさせる活動をする、
というのであれば
いい活動になったでしょう。
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